※書き始めます。続編です。
「よーし、食べろよ、たくさん食べろよ。ここのミートソースは格別なんだ!」
ミートソースのたっぷりかかったスパゲティーが運ばれてくると、南先生はこう言った。話すリズムや声の色、言葉の種類、すべてがあの時のままで、懐かしい。もしかしたら、変わっているのかもしれないけれども、先生の顔を見ると小学生のころの自分に戻り、そう感じてしまうのかもしれない。
「坂田君、大学生活はどうですか?楽しくやっていますか?」
今度は、明らかに気取った口調で聞く。
「先生、『坂田君』なんてやめてくださいよ。『ハルキ』でいいですよ」
「立派な大学生になったんだ、『ハルキ』なんて呼ぶのは申し訳ないからさ」
「いいんですよ、先生はいつまでも僕の先生ですから…」
「すまないなあ。勝手な思いで、時々、メールして。でも、ありがたいなあ、こんなふうにわざわざ会いに来てくれて。ありがとうな、本当にうれしいよ」
緑川市のレストラン。僕は朝日川から舞鳥に帰省する途中、緑川の駅に降りた。
薄い黄色の壁にひまわりの大きなポスターが貼られている。僕らの他に、お客さんは二組。高校生の男の子と女の子が仲良く、一つのパフェを食べている。
もう一組は、小さな男の子を連れた若い夫婦。男の子が、僕らと同じミートソースのスパゲティーを食べ、ソースの色で口が顔の半分になっている。お母さんがその顔を見て、笑いながら、小さなタオルを鞄から出して拭いている。
※こんな感じで、南先生との再会のシーンからスタートです。
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