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USA GC 砂漠のビュー

2011-07-26 14:14:06 | アメリカ大陸横断 花の旅

 16時40分頃、グランドキャニオンの砂漠のビュー(デザートビュー)に到着しました。

 ここはグランドキャニオン南岸の一番東にある眺望ポイントです。

 この場所にはウオッチタワーと呼ばれる石の塔が建てられています。

 

 

 ウオッチタワーは1933年に、建築家コルターによって建築されました。

 塔のデザインは南西部インデアンの塔からアイデアを得たのだそうです。

 塔はサンタフェ鉄道の橋脚担当部署による鉄骨構造を基礎とし、内部の壁画はグランドキャニオンに深く関わるホピ族の蛇伝説の絵が、ホピ族アーティストのフレッド・カポチエによって描かれています。

 

 

 砂漠のビューからは、西の方角にグランドキャニオン渓谷が、

 

 東の方角には、台地の上に広がるペインテッド砂漠の光景が望めました。

 砂漠の中にポコンととび出している山はシダーマウンテン、日本語に訳すと杉山という意味になります。

 

 

 北の方から、この辺りで直角に向きを変えるコロラド川が、上流から足元に川筋を伸ばしていました。

 

 

 眼下にはカーデナース・ビュートと呼ばれる岩山が見えています。

 ビュートとは周囲を侵食によって削り取られた独立峰を意味するようです。

 

 

 「砂漠のビュー」の右手足元にはタンナー渓谷が切れ込んでいます。

 右手の壁の、一番高い所がコマンチポイントと呼ばれている眺望ポイントです。

 

 

 下の写真のように、要所要所に地名やその解説が掲示されていますので、ガイドが居なくても不自由なくグランドキャニオンを楽しむことができました。

  

 そして、解説内容を記録する為にカメラを構えた、手の影が写ってしまう程、陽が大きく傾き始めていました。

 

 

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USA GC 眺望ポイント

2011-07-26 14:03:43 | アメリカ大陸横断 花の旅

 グランドキャニオンは全長約450キロをなす大渓谷です。

 

 東西にコロラド川が流れ、谷の南側に多くの観光施設が設けられています。

 

 インターステートハイウエー(IS)40から、グランドキャニオンへ通じるステートハイウエー64を北上すると、最初にマーサポイントのビジターセンターに至りますが、ここから東へ40キロほど先にある「砂漠のビュー」への途中にも、幾つかの著名な眺望ポイントがあります。

 

 私はマーサポイントの眺望を楽しんだ後、東へと伸びるステートハイウエー64に車を進め、途中幾つかの眺望ポイントに寄りながら、「砂漠のビュー」へと向かいました。

 

 まず最初がヤキポイントです。

 

 この眺望ポイントはマーサポイントと尾根を一つ挟んで接していますが、右手に特徴的な赤い裸尾根がたたずみ、眼下に一筋の支流が谷を削りながら、コロラド川へと流れ込んでいました。

 

 断層を見せて落ち込む急峻な谷とは対照的に、対岸の上部は平坦な砂漠が広がり、より一層渓谷のスケールの大きな段差を印象付けています。

 

 

 砂漠のビューへの中程に位置するのがグランドビューで、ここの標高は、北海道で最も高い旭岳とほぼ同じ2256メートルです。

 

 雨が多いために、カシ、ポンデローサ松、ピニョン松などの高木が茂り、眼下では、急峻な尾根がホースシュー(馬蹄)台地に向かって延びていました

 

 

 右手奥にジュピター寺院と名づけられた、印象的な形の独立峰を望むことができます。

 

拡大 ↓

 

 

 次のモーランポイントは、濃朱の岩石が露出したカラフルな(写真でははっきりしませんが)赤谷を望むことができ、この辺りでは600万年の時を隔てた前カンブリア期とカンブリア期の地層が断層を成しているのだそうです。 

 

 

 

リパンポイントではコロラド川のハンス急流を望めますが、その中ではゴムボートによるラフティングと呼ばれる急流下りが楽しめるようです。

 

 

                        

 

 ナバホポイントから北を望むと、「砂漠のビュー」の眺望塔が中世の砦のような姿を見せて佇んでいました。

 

 

 そんな渓谷の中では、若い恋人達がとっても楽しそうに、二人だけの時を紡いでいました。

 

 

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USA GC マーサポイント

2011-07-26 13:25:11 | アメリカ大陸横断 花の旅

 グランドキャニオンに到着して、最初にビジターセンターに立ち寄りました。

 数多くの写真で谷の構造や、グランドキャニオンの成り立ちなどが解説されていました。

 

 グランドキャニオンは今から約500万年前に、大地の隆起により基礎となる地形が形成され、雨によるコロラド川の浸食が進んだ結果、現在のグランドキャニオンができあがったそうです。

 500万年前といっても具体的なイメージが湧きませんが、この頃に人類とチンパンジーが分化し、猿人が出現して、二足歩行を始めたとされています。

 アメリカが独立したのが1776年ですから、その年から今日までの経過年数は235年です。

 

 嗚呼、そうでした、全く意味のない比較をしてしまったようです。

 

 

 真下の谷を覗くと木々の間に白いものが見えていました。

 どうやら雪のようです。

 

 

 グランドキャニオンはアリゾナ州の北西部に位置しますが、コロラド川が削ってできた谷の北側の壁(ノースリム)と南側の壁(サウスリム)にビューポイントが幾つか設けられていますが、特にサウスリムのこの場所、マーサポイントでは朝日の登る直前から直後にかけて、太陽が渓谷を染め上げる色の変化が感動的なのだそうです。

 

 今も目の前の谷は十分にスケールが大きくて、今までに見たこともないような光景ではありますが、太陽の光がほぼ真上から谷を照らしますので、写真的には陰影のない平坦な画像となり、フォトグラファーとしてはちょっと残念です。

 

 

 グランドキャニオンは谷の深さの平均が1600メートルだそうですから、関東平野の西に位置する丹沢山系の規模に谷が削られていることになります。

 下の写真では崖上に、針の先ほどの大きさで谷を眺める観光客が写っていますので、谷のスケールがご理解頂けるかと思います。

 

 

 ところで、マーサポイントのマーサとは、初代アメリカ国立公園局長の名前だそうですが、その方のレリーフが設置されていました。

 

 

 それにしてもグランドキャニオンでも中国人観光客が多かったですね。

 しかし、彼らは周囲への配慮が全く無く、土産物を棚から落としても自分で戻さないので、後ろの人がそれを踏んでしまう始末で、オヤオヤでした。

 

 最も日本人だって、バブルの頃は、パリへ行った農協さんがエッフェル塔を見ながらズボンを下ろして、シャツの裾を直したエピソードありましたので、他人のことは言えないかもしれませんが。

 

 

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USA グランドキャニオンへ

2011-07-26 13:13:04 | アメリカ大陸横断 花の旅

 ニードル(Needles)でガソリンを入れ、食事を済ませ、再びIS40を東へ走ります。

 ニードルは丁度カリフォルニア州とアリゾナ州の州境に位置しており、車はアリゾナ州に入りました。

 

 アメリカは東西に広く、サンフランシスコからワシントンDCまでの直線距離は約4500キロです。

 これだけ距離があるとサンフランシスコとワシントンDCでは時差が生じます。

 そこで、アメリカは縦割りに4つのタイムゾーンを定め、一番西が太平洋時間ゾーンでカリフォルニア州がこれに該当します。

 その隣が山岳時間ゾーンでアリゾナ州はそこに含まれます。

 つまり、カリフォルニアからアリゾナに州境を越えた途端、時計の針を一時間進めなければなりません。

 

 と言うことで、先ほどニードルでお昼を食べ、12時20分頃に出発して30分、今は山岳時間ゾーンの午後1時50分になりました。

 もっとも、私は面倒なので持参した時計の針を修正せず、その侭にしておきました。

 もともと時間に縛られる旅ではありませんし、気にすべきは、周囲が明るいか、暗いか、ぐらいのことですから。

 

 

 車は順調に走行を続け、一時間ちょっとでIS40と別れ、ステートハイウエー64(S64)に入りました。

 周囲に針葉樹林が広がっています。

 

 

 ストレスの無い道を北に向かって走り続けます。

 時折レストランなどを路傍に見かけますが、S64はIS40と違って、大型トラックの姿を見ることは殆どありません。

 

 

                      

 

 草原の道を走り、空港の横を抜けて

 

 

                       

 

 森林地帯に入ってきました。

 明らかに周囲の様子が今までと異なります。

 

 

 突然、野生の鹿が道路に現れました。

 観光客は皆、車を止めて中からカメラを向けていました。

 

 

 そして、今やっと、グランドキャニオンビジターセンターに到着です。

 時計は山岳時間ゾーンの15時を少し回った頃でした。

  

 

 

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USA 砂漠の牛乳は美味

2011-07-26 13:00:02 | アメリカ大陸横断 花の旅

 インターステートハイウエー40が峠に差し掛かり、久しぶりに周囲の視界を遮るものが現れました。

 

 

 大型トラックが喘ぎながら坂道を登っていきます。

 

 

 

 峠を登りきると大きく視界が開け、台地状の地形が前方に見えてきました。

 進行方向に標的物が見えてくると、それが励みになります。

  

 

 心なしか、周囲に緑が増えてきたように感じられます。

 

 

 送電線と交差しました。

 道路に平行して鉄道の線路も見えています。

 木立の高さが今までとは明らかに異なります。

 

 

 遥か正面に緑の連なりが見えていました。

 

 

 しかし、そうは言ってもハイウエーはまだまだ砂漠の中に続き、時計がそろそろ12時に近いことを教えています。

 

 ガソリンメーターがエンプティーまで、残り四分の一程になってきました。

 

 

 丁度その頃、高速道路の出口、EXIT142の表示が目に入ってきました。

 ここが当初予定していた、昨夜の目的地ニードル(Needles)かもしれません。

 

 このような出口付近には必ずガソリンスタンドと飲食店が設置されています。

 日本の高速道路のパーキングエリアのようなものですが、日本と異なり、料金所もなく、そのまま一般道に繋がっています。

 

 案の定、EXIT142のすぐ横にはガソリンスタンドが設けられて、コンビニのように食物や雑貨、それと、この店では西部劇に出てきそうな種々のグッズやお土産品などが販売されていました。

 

 日本でお世話になった方々の顔を思い浮かべて、お土産でもと思ったのですが、旅はこの後まだ10日以上も続きます。

 お土産は東海岸に行ってから探すことにしました。

 

 

 ここのコンビニではサンドイッチと、冷蔵庫の中に並んでいたユーモラスなデザイン容器のミルクを購入し、車の中での昼食となりました。

 

 

 この牛乳が本当に美味しかった!

 私は旅にでると、なるべく地の物を食べるように心がけています。

 一般的に、その土地毎に潤沢なものが一番旨くて、新鮮で、安価です。

 

 例えば、パパイアなどの南国の果物は南国で食べるのが一番美味い。

 

 日本で高いお金を出して、南国の果物を食しても、それ程ではありません。

 その産地に出かけ、その旬に食べるのが一番美味いに決まっています。

 しかも何処よりも安価です。

 

 でも不思議ですね。アメリカのレストランでは「地の物、旬の物が旨い」という経験則が、それ程当てはまりませんでした。

 

 

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USA 砂漠のアイデア

2011-07-26 12:45:04 | アメリカ大陸横断 花の旅

 9時10分。トリプルAのレスキューに何度もお礼を言ってから、再びIS40を東に向かって、スリルとサスペンス、夢とロマンのドライブを再開しました。

 

 走り出してから30秒もすると、ドアのノブが静かに「カチャ」という音を立て、オートロックがかかりました。

 

 

 アー、確かにそうだったな~。

 今までも車をはしらせると自動的にロックがかかていたよな~。

 キーを付けたままだとドアは自動的にロックが掛かることになってるんだ!

 

 「聞いてないよそんな話!」。

 

 レンタカーを借りるとき、契約書にサインしたら、使用説明書の一枚も提示されなかったんですから。

 

 

 しかし、このとき思いました。

 日本ではレンタカーを貸し出す時、絶対にこんなことは無いだろうと。

 

 どちらかと言えば日本では過剰なくらい客に「親切」を尽くします。

 わが国では昔から客に「おもてなし」を尽くす文化があり、それは良い意味でも悪い意味でも日本の商売、接客に受け継がれています。

 

 多すぎて無駄も多く、コストパホーマンスに劣り、昔流儀の個人商店などはすっかり淘汰されてしまいました。

 しかし、それでも日本文化の中で引き継がれてきた、木目細やかに客へ配慮を尽くすスキル、個々の顧客の要望を汲み取って次に繋げるスキルなどは我々の強みだと思われます。

 

 時々数字だけ分析したコンサルタント会社の解説を元に、日本での営業戦略を組み立てるような愚かな行為を見かけますが、強みを全部捨ててしまって、新しいやり方だけを猿真似するような事は実に愚かな行為だと考えます。

 

 そんなやり方は、どうせ結果を伴わない筈ですから、あえて言葉にする必要もないことではありますが。

 

 

 何もない砂漠を、殆ど神経を使わずにドライブしていると、様々な思索が頭に浮かびます。

 

 果たしてそれが妄想なのか、まっとうなアイデアなのかは即時に判断できませんが、それはそれで、頭の体操としては面白く、興味深い経験なので、単調な景色の中の運転に飽きる、ということはありませんでした。

 

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USA 砂漠のナイスプロ

2011-07-26 12:26:32 | アメリカ大陸横断 花の旅

 「サンキュー」と赤帽おじさんに手を振ると、おじさんは運転席で前をむいたまま左手を上げて、はしり去ってしまいました。

 

 私はハイウエーを歩いて、車まで戻ると、その辺に落ちていたタイヤの破片を拾って尻に敷き、車の後ろの日陰に膝を抱えて座りこみました。

 

 午前7時50分ごろだったと思います。

 座ったまま、今朝走ってきた彼方を眺めると、道は一直線に地平線まで続いていました。

 

 

 この場所から人の住む所まで、前後100キロ以上は離れているはずです。

 

 赤帽おじさんは多分トリプルA(アメリカ自動車協会)に連絡を取ってくれたでしょうが、最寄の町にオフィスがあったとしても、休日土曜の早朝ですから、作業員はまだ出勤していないでしょう。

 出勤してから、此処へ来るまでに一時間以上は掛かるはずです。

 

 周囲を見渡すと、茫々たる砂漠が広がっているばかりで、他には何にも見えません。

 狼やコヨーテなどは居ないのかな? 取り囲まれたらどうしよう。

 

 

                    

 

 多分、レスキューの到着は昼過ぎだろうと予測して、覚悟を決めました。

 

 少なくとも4時間以上は待つことになるだろうと思いました。

 黙って座っているだけでは芸がないよな~。

 と言って、砂漠をうろついても花など咲いているはずもありません。

 

 所在なく、財布に入っていたレシートを取り出すと、目の前を通過するトラックと乗用車の数を数え始めました。

 トラックは口で一台、二台。乗用車はレシートの裏に正の字で通過する車数を記録していきます。

 

 初めはトラックが圧倒的に多いだろうと思っていたのですが、数えてみれば、乗用車もほぼ同じようなものです。

 トラックは69台、乗用車は64台まで数えました。

 

 

 するとトラックの70台目が途中からハザードランプを点滅して、私の目の前に停まってくれたのです。

 

 時は8時58分。助手席に可愛い少女がちょこんと座っていました。

 多分作業員のお嬢さんでしょう。

 

 

                  

 

 作業員は運転席から降りると、黄色いベストを身に着けて、車の右ドアの上部に工具で隙間を作り、そこから針金を車内に伸ばして、ドアをロックしているノブを引き上げ、まるで何事も無かったかのように、いとも簡単にドアを開けてしまったのです。

 

 

 私は思わず賞賛の声を上げました。

 

 「グッドジョブ、ナイスプロ!」

 

 

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USA 砂漠のウォーキング

2011-07-26 12:12:55 | アメリカ大陸横断 花の旅

 10台目ぐらいに、ようやく小型トラックが止まってくれました。

 運転席の後ろにも座席が付いた半トラックは、後の無蓋の荷台に手押し車を積んでいました。

 

 車にキーを付けたままドアロックしたことを説明すると「次の町まで行って対策を考えよう」ということになりました。

 しかし、車に乗せてもらって1キロ程はしると、路肩に非常電話があったので、そこで下ろしてもらうと、私は非常電話の受話器を取り上げました。

 

 「はい、こちらはハイウエーセンターです」

 切羽詰まった思いだったので、ダメモトで言ってみました、「日本語を話せる方をお願いします」。

 「少々お待ち下さい」

 

 ということで、後は日本語でのやり取りでした。

 しっかし、アメリカはすごい!

 土曜日の朝7時、砂漠で日本人が「日本語を話せる人を」と頼むとちゃんと対応してくれるんですから。

 

 直ぐに日本語を話せる方が対応してくれたので、事情を説明し、JAFの会員なのでアメリカ自動車協会(AAA)のロードサービスが無料で受けられることを説明しました。

 このような情報は、先にご紹介した「地球の歩き方:アメリカ・ドライブ」に紹介されていたので、私は出発前に急遽JAFに入会していたのです。

 

 「分かりました、電話を切らずに、そのままお待ち下さい」

 

  受話器を握ったまま周囲を見渡すと、既に陽は空に上り、あれだけ感動的だったレンガ色の岩山も今は普通の大地となっています。

 

 

                 

 

 結構長く感じましたが、10分程だったようです。

 何処から来たのか作業用のトラックが私の前に停まると、運転席から赤い帽子を被ったおじさんが

 

 「この車、ガソリンが少ないんだけど、ガソリンスタンドは近いかな?」

 ???「ロードサービスの方ですよね」

 「そうだよ、ところでどうしたの?」

 

 気の良さそうなおじさんに、事情を説明すると。

 「あぁ、それは、俺達にはどうもできないな」とのお話。

 

 え! 私の状況を分かったて来てくれたんじゃないの?

 

 赤帽のおじさんは同乗していた仲間とスペイン語で何やら相談をした後で、私の手から受話器を取って、受話器の相手と打ち合わせを始めました。

 

 

 5分ほど話をしていたでしょうか、おじさんは受話器を置くと私に、「誰かがサポートに来るから、車で待ってて。俺達は車にガソリンがないので、出発するから」

 

 「え!行ってしまうの? 誰かが来てくれるの?」

 「そう、誰かが来るから、車で待ってて」

 「え!ここから車まで歩くの?」

 「そう、ウォーキング。OK?」

 「オ・・・ ok」

 

 

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USA 砂漠のドアロック

2011-07-26 12:02:46 | アメリカ大陸横断 花の旅

 バーストーのモーテルを早朝5時過ぎに出発し、1時間以上砂漠の中を走り続けて来ました。

 砂漠の夜明けとともに始まった、光のページェントは感動的でした。

 

 ハイウエーが砂漠の小さな丘を廻り込みながら台地の上に登り、再びの直線区間に入った時、左手の山が朝焼けの中でレンガ色に染まり始めました。

 朝の太陽は秒を待たずに光を変えます。

 

 今のこの瞬間をカメラに収めておきたい。

 私は迷わずハイウエーの路肩に車を停めると、カメラだけ持って車外に降り立ちました。

 ハイウエーですから道路を横切ることまではしませんが、停めた車の横でゆっくりと構図を選んでシャッターを切り、次に、今来た道と高速で走り抜けるトラックの姿をカメラに収めました。

 

 

                    

 

 ウーン、やっぱり車から降りると、しっかりとした写真が撮れるナ~、と自己満足しながら愛車に戻ってドアを開けようとノブを引くと。

  ・

    ・

      ・

           !!!  ドアが開かない!

 

 

        え! 

 

 

          キーは? 

           ハ ン ド ル の 横 に 刺さってる!!!

 

 

 

 車の周囲をぐるり周って、開くドアがないかと、無駄な努力もしてみました。

 

 ア”----------、参ったなこれは。

 通りすがりの車を止めて、誰かに助けを求めるしかありません。

 今は朝の6時半。 それ程交通量は多くないものの、大型トラックに混じって、時折小型車も通り過ぎて行きます。

 

 大型トラックは止まってくれる気がしなくて、小型車狙いで手を振って助けを求めました。「おーい」(こんな時は、日本語です)

 

 運転手と視線が合いますが時速70マイルで走行中の車は中々止まってくれません。

 私も経験がありますが、気付いてブレーキを踏んでも止まるまでに距離が必要ですから、止まりたくても止まれないんですよね。

 

 

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USA 砂漠のドラマ

2011-07-26 11:58:19 | アメリカ大陸横断 花の旅

 今回の旅の主目的はアメリカ大陸を横断しながら各地の植物園を訪問することです。

 しかし、アメリカを始めて旅する私は、植物園で花を見ること以外にも、極力寄り道をして、アメリカを数多く経験してみたいと考えていました。

 

 その候補の一つがグランドキャニオンです。

 寄り道ではありますが、どうせなら朝焼けに染まるドラマチックな光景を見てみたいものです。

 しかし昨日は、ロス近郊で渋滞に遭い、予定の距離を走ることができませんでした。

 

 昨晩の内に、グランドキャニオンまで一時間程の町に辿り着くことができれば、夜明け前にホテルを出て、朝焼けの谷を見ることも可能だったのですが、すっかり思惑が狂ってしまいました。

 とは言っても、まだ旅は始まったばかり、朝焼けに染まるグランドキャニオンを見ることは叶いませんが、広いアメリカの旅の時間は限られています。

 貴重な時間を精一杯有効に使いたくて、私は夜明け前から動き始めました。

 

 走り続けるハイウエーIS40の周囲の砂漠が朝日に輝き始めました。

 

 

 ハイウエーは砂漠の起伏を緩やかに上下しながら進みますので、窪地では太陽が低く見えたりします。

 

 

 走り続ける周囲の状況に応じて、光りの中の風景が刻々と変化しますので、時速70マイルのドライブは、まるで壮大な大地のドラマを見ているようです。

 

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USA 砂漠の夜明け

2011-07-26 11:31:31 | アメリカ大陸横断 花の旅

 4月16日(土)早朝、4時半にセットした目覚が鳴る前に眼が覚めました。

 夜明け前の窓の外から小鳥の囀りが聞こえます。

 渡米して迎えた四日目の朝、朝5時11分にカリフォルニア州バーストーのモーテルを出発しました。

 まだ外は暗く、ヘッドライトを点けての走行です。

 

 バーストーは北米大陸を東西に横断するインターステートハイウエー(IS)40の基点となる町です。

 5分も走らぬうちに市街地を抜け、人家も木立も見えない、荒涼とした大地の中を、オレンジ色に染まり始めた東の空に向かって、真っ直ぐにハイウエーが伸びていました。

 

 

 大型トラックが東へ連なってはしります。

 

 

 緩やかに、うねり進む砂漠のハイウエーは、表情を微妙に変化させながら地平線へと向かいます。

 

 

 大地の単調な景色の中で、夜明け前の空色が秒単位で変化し続け、黎明の光が荒涼たる砂漠に届き始めました。

 

 

 地球は東に向かって休みなく廻り続け、夜を背後に置き去って行きます。

 

 

 ハイウエーが小さな稜線にさしかかりました。

 東の地平線の下に、約束された夜明けが控えています。

 

 

  いよいよ夜明けが始まりました。

 

 

 46億年も続いてきた夜明けが、今日も新大陸の大地で目を覚ましました。

 

 

                      

 

 空と大地の狭間を東へと向かう夜明けのハイウエー。

 対向車線では、昇る朝日に追われる様に、車が数台西に向かって走り去ってゆきます

                    

 

 そして太陽は今、私の目の前でドラマチックな一日の始まりを告げたのです。

 

 

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USA 凛とした蒼い空

2011-07-26 11:09:23 | アメリカ大陸横断 花の旅

 アメリカではインターステートハイウエー(IS)が最も基幹となるハイウエーです。

 ISを補完するUSハイウエー(US)と日本の地方国道に該当するステートハイウエー(S)に分類され、それぞれのハイウエー毎に分かり易い番号が付けられています。

 

 インターステートハイウエーで一の位に0が付くのは大陸横断ルートで、南から10、20、30、・・・90と9つあります。また一の位に5が付くのは南北を縦断するもので、西海岸の5から東に15、25と並び、一番東に95があります。

 

 今回、私はロスからIS10で東へ向かい、オンタリオ(Ontario)で交差したIS15へ入り、今は山岳地帯を北東方角へと走行中です。

 

 ロサンゼルスを出発したのが15時頃でした。

 郊外へ出るまでに、渋滞に巻き込まれ、ロスから100kmほどの距離に約3時間を要しています。

 ロスからグランドキャニオンまでは約800キロ。

 当初の目論見ではグランドキャニオンに近い、ニードル(Needles)という町で宿を探すつもりだったのですが、そこに至る前に夜を迎えそうです。

 

 アメリカのドライブも三日が過ぎて、左ハンドル車の運転にも慣れたのですが、夜間のドライブはまだ控えたほうが良さそうです。

 

 ご覧下さい、東の空に月が浮かんでいます。

 

 

 太平洋岸の地域では春の花が咲き、柔らかな大気が満ち満ちていたのに、この辺りでは空気が乾燥しているからでしょう、凛とした蒼い空の下で、遥かな山稜の輪郭をくっきりと確認することができます。

 

 西の空に陽が傾き始め、併走する車の影が長く伸び始めています。

 

 

 亀の甲羅のような姿のタートル山が正面に見えてきました。

 ハイウエーは三車線ですが、一番右はトラックやトレーラーなどの低速車、左車線は追い越し用の車線です。

 私はもっぱら中央車線を走り続け、制限速度の70マイル以上はめったに出しません。

 

 

 さっき月を認めた辺りが分水嶺だったのでしょう、ハイウエーは緩い下り勾配を数10キロに亘って連ねていました。

 

 

 西の地平が少しずつ色付いてきました、太陽がねぐらに籠もる準備を始めたようです。

 

 

 まもなく19時になろうとしています。

 今夜はこの先のバーストー(Barstew)に宿を定める予定です。

 

 こうして今日もアメリカ大陸横断「花の旅」、楽しい思い出を詰め込んだ、三日目の幕が降りてゆきました。

 

 

4月15日のルートと位置

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USA ハリウッドから明日を目指す

2011-07-26 10:49:21 | アメリカ大陸横断 花の旅

 さて、そうは言っても、やっぱり悔しい。

 

 でも、このままロスを離れるのは残念なので、何か只で起きない方法はないかと考えました。

 

 と言っても観光名所などは初めから調べていませんし、この後に大陸横断というドキドキなイベントが控えています。

 ここでのんびりと時間を使う気にもなれませんでした。

 

 車はニューヨークで返却する契約です。

 帰りの飛行機は4月26日のJ・F・ケネディー国際空港発ですから、何としてもその日までにニューヨークに辿り着かねばなりません。 

 

 そこで思い付いたのが「ハリウッドでも見ておこう」でした。

 ロスに入る前のハイウエーから、山頂に「HOLLYWOOD」の看板が見えた記憶があったのです。

 

 いつものように適当に、方向感覚だけで車を走らせました。

 不思議なことに、この方法で目的地が探せなかったことはありません。

 案の定、山頂に見覚えのあるハリウッドの看板が見えてきました。

 

 

 あの白い「HOLLYWOOD」の近くまで行ってみよう。

 看板の麓の住宅街を適当に走りました。

 山の傾斜地に細い一方通行の道が網目のように張り巡らされていました。

 道の両側に住宅が密集しています。

 何処かに似てと思ったら、そうです、熱海の温泉街に隣接する住宅街にそっくり。

 

 そうか、ハリウッドはアメリカの熱海なんだと、今は横で異を唱える人が居ないので、一人で納得。

 やがて、あの「HOLLYWOOD」が間近に見える場所を探してパチリ。

 こんな所へ、わざわざやって来た日本人はめったに居ないだろうと、訳が分からない満足感に浸ります。

 

 

 何とかこれで気が済み、ナビに次の目的地、グランドキャニオンを入力しました。

 こんなことで気が済むのですから、ストレスなどは全く溜りません。

 

 明日の目的地はグランドキャニオンですが、ロスからは800キロ強もあります。

 東京、広島間ほどの距離ですから、今夜中に可能な限り走って、明日の工程を楽にしようと考えました。

 早速、ハリウッドから明日を目指して出発です。

 

 市街地を離れ、東へ向かうインターステートハイウエー(IS)10は結構な交通量でした。

 黄色いスクールバスの姿を見かけました。

 

 

                  

 

 ハイウエー左手の山の頂が白く光っています。

 サン・アントニオ山だと思いますが、雪なのでしょうか?

 

 

 やがてハイウエーはIS15と交差しました。

 インターチェンジでIS15に入り、進路を北東に取ります。

 

 

 IS15は序々に標高を高めてゆき、車窓の両側が荒涼とした景色に変わり始めます。

 

 

 IS15は山岳地帯に大きな弧を描いて上ってゆきます。

 雄大な光景の中へ時速70マイルで走り込んでゆきました。

 

 

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USA こりないロサンゼルス

2011-07-26 10:30:28 | アメリカ大陸横断 花の旅

 素敵な想い出に満ちたUSハイウエー101ともそろそろお別れです。

 

 

 緩やかにアップダウンを繰り返すハイウエーを進んで行くと、少しずつ交通量が増えてきました。

 

 

 そして、とうとう渋滞に巻き込まれました。

 今考ると、車社会であれば渋滞があるのは当然ですが、私は迂闊にもアメリカに渋滞があるとは考えず、スケジュールに渋滞のロスタイムを計算していなかったのです。

 

 マ~しかし、初めから時間設定は無いに等しいほどスケジュールはアバウトですから、慌てる必要はありませんが。

 

 

 ロサンゼルスの渋滞は日本と違って悠長なものです。

 先を急いで、空いた車線に割り込んでくる車など全くありません。

 

 さすがです!

 車が市民生活に根付いた、洗練された社会なのだと、ここでは大いに感心したものです。

 

                  

 

 ロサンゼルス市内のガソリンスタンドで給油し、ロサンゼルス植物園の住所、ロサンゼルスの「ノース・バルドウィン・アベニュー 301」をナビにインプットして走り始めました。

 途中で、偶然見つけた吉野屋のようなチャイニーズレストランに入り昼食を摂りました。

 

 ガラスケースの中で数種類の中華料理が湯気を立て、そこから二種類をチョイスするシステムのようです。

 オーダーしたのは焼きソバと炒めご飯、それに卵スープを追加しました。

 日本で食べれば別にどうと言うことは無いのですが、わずか三日目にして、ご飯を食べたい症候群に罹っていたので、このときは本当に美味しく感じました。

 

 

 さて、目的地の植物園ですが、ナビが「到着しました」とアナウンスする場所は

 

 

 只の住宅街です。

 

 アッレー?変だな~。

 一体どう言うこと?

 周辺を30分ほど捜し巡りましたが、結局見つけることができませんでした。

 

 帰国後に再度、ネットで調べましたが、どうやら単純なメモ間違いだったようです。

 

 実は今回の旅ではもう一度、同じように行きそこなった植物園がありました。

 詳細は、着いてからネットで調べれば何とかなるだろうと考えた上での、準備不足がこんな形で「付け」を払わされる結果となったようです。

 マ、イッカ。 無事故で帰れたんだから。

 

 

 そうそう、あの大リーグのイチロウさんだって打率三割代なんだから、三度に一度当たりがあるくらいで、丁度イインデス。

 

  エー!意味がオカシイですって?

  イインデス。

  今回も即、すっぱりと諦めました。

  (しっかし懲りないネ!)

  イインデス。後ろは振り向かない主義ですから。

 

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