萩を11時頃に出て、昼を過ぎた頃、山口県長門市の千畳敷で海を眺めていました。
目の前の海岸で虫垂のように突き出た今岬の奥に青海島が、更にその奥に萩市沖の島々が見えていますが、写真でははっきりしません。
青海島の周囲には、9000万年前の火山活動や地殻変動で生じた断崖や奇岩、洞門などからなる「海上アルプス」と称される絶景が連なり、それを海から眺める遊覧船が運航されていますが、今回はパスしました。
今は2月下旬なので、もう少し温かい季節にまた来ようと思います。
今居る場所の千畳敷は標高333メートルの高台に草原が広がる絶景の地ですが、この日は強烈な風が吹き荒れていました。
キャンプ場もあるので、新緑の季節に、ここで星を眺めながら夜を過ごせば、思い出深い旅となることでしょう。
今度来る時はそうしたいと思います。
(鬼がどこかで笑っていますが、無視、無視)
千畳敷から10数分程はしると、元乃隅神社に到着しました。
アメリカのテレビ局が元乃隅(もとのすみ)神社を「日本で最も美しい場所31」に選定して以来、日本国内より先に海外にその名が知られた場所で、昭和62年から10年かけて建てられた123本の朱塗りの鳥居が、100メートル以上も海へ向かって連なります。
今回の旅の目標の一つだったのですが、正直なところ「日本で最も美しい場所」とまでは思いませんでした。
多分、アメリカ人の目と私の目には若干の位相差があるのでしょう。
元乃隅神社のすぐ横で、竜宮の潮吹きと呼ばれる噴潮現象(岩礁内に縦穴があり、その下口に波が打ち寄せると潮が空に吹き上がる)が見られる場所がありますが、こちらは冬に北東風が吹き付けるときにだけ見られるそうです。
前回のブログに書きましたが、50年程前に一度、普通列車でこの辺りを通過しましたが、山口県の日本海側を旅するのは初めてに等しいので、花だけでなく、主要な観光地も見て歩く予定です。
次に訪ねたのが角島大橋でした。
この橋は「死ぬまでに行きたい!世界の絶景」(何と大仰な!)で第3位に選ばれた名所中の名所です。
角島大橋は1993年(平成5年)に着工し、2000年(平成12年)に開通しました。
橋は国営公園内に位置する為、景観への影響と考慮し、橋脚の高さを押さえた構造になっています。
更に景観保護の観点から、本土と角島の間の鳩島を迂回する架橋ルートにしたことなどが評価され、2003年に「土木学会デザイン賞2003」の最優秀賞を受賞しています。
テレビCMのロケ地として使われることも多いので、誰もが見覚えのある景色の一つかもしれません
この橋を見て、渡ってみたいと思わない人は居ないはずです。
島に渡り、角島灯台や牧崎風の公園などを訪ねました。
この日は何処に行っても風が強く、牧崎風の公園の遊歩道を歩くと、躰が風にもっていかれそうになりました。
角島を出て、国道191号を淡々とはしり、たまたま信号停止した場所で、赤いマジックで「中止」と記された「鯖釣山椿祭り」のポスターに気付きました。
「椿祭り」ということは、鯖釣山にツバキの群生地か椿園があるはずです。
しかし、ナビを確認しても鯖釣山へ至る道が分かりません。
周囲にコンビニも見当たらないので、道路に面した一軒の民家のドアをノックして、鯖釣山への道を尋ねました。
鯖釣山の登山道は、国道と並走する山陰本線の反対側の旧道(県道270)を進み、山麓の鉄筋アパート横の細道を数百メートル程も進んだ先の、小さな砂防ダムの横にありました。
登山口脇の「鯖釣山自生椿群生林整備事業」と題する掲示に
「ふるさとのシンボル的な森林の再生を目的として、国土緑化推進機構「緑の募金」の活用と、地域の方々の参加協力により実施されたものです。
「緑の募金」は「ファミリーマート夢の掛け橋募金」からの寄付金によるものです、と記されていました。
砂防ダムの横に車を停めて、登山道を少し登ってみました。
鞍部まで登ると、右手に小高いピークが見えてきて、そのピークと登山道が伸びてゆきます。
登山道の周囲のツバキ林に赤い花を認めました。
私はこの場所で、鯖釣山椿群生林の凡その状況が理解できたと判断し、この場所から車へ戻りました。
しかし実は、本当の鯖釣山182mのピークは鞍部の左手にあって、山頂への道はシダが茂る藪道だそうです。
ちなみに、上の写真に写っているのは湯玉城山193mで、多くの人がこのピークを鯖釣山と勘違いするそうです。
「鯖釣山椿祭り」が中止となったように、新型コロナの影響が全国に及び始めていました。
私はぎりぎりのタイミングで旅を続けていたようです。
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