邦画ブラボー

おすすめ邦画(日本映画)のブログ。アイウエオ順(●印)とジャンル分け(★印)の両方で記事検索可能!歌舞伎、ドラマ感想も。

「東京流れ者」

2004年12月20日 | ★イカス!映画たち
有名な「流れ者に女はいらねえ」
は、この映画の中の台詞です。

鈴木清順監督の作品は見出すと中毒になる。

エネルギッシュな映像の魔術師は、
来春にオダギリ・ジョー主演の平成の狸御殿映画を公開予定。

ストーリーは一言でいうとやくざ同士のいざこざなんですが
ショットのひとつひとつが
まばゆいほどに美しい。

幻惑的な色彩感覚。何もかもが真っ白なセットの中で
白づくめの渡哲也がコルトを構える。
あたり一面まっ黄色になるかと思えば、
墨を流したような真黒の画面に真っ赤な花。
エメラルド色のドレスを着て歌う歌姫。(松原智恵子)
雪の中のSL。
これはまさしく色彩のブルース!

ビリビリくる台詞(脚本)を書いたのは川内康範。
この人は大ヒット曲「伊勢崎町ブルース」や
「おふくろさん」などを書いた作詞家、そして小説家でもある。

「頼むから俺を怒らせないでくれ」(渡の独り言)

驚くべきことはまだまだある。
松原智恵子の歌姫、「てつやさん!」以外の言葉を発しません。

渡哲也が着るパステルブルーのスーツ、
真っ白のスーツなど、衣装の色もまた「画面の一要素」になっている。
カット割りが大胆!

競演は雰囲気が抜群の川地民夫
そして二谷英明
ちあきなおみの夫だった郷治(宍戸錠の弟)、など。

ほとんどミュージカルといわれるくらい音楽が使われている。
スクラップ工場で真っ赤な炎に焼かれる車、
どこからともなく聞こえてくる
「東京流れ者」のテーマに鳥肌が立った!


ぶっちぎりの脚本と鈴木清順の映像、木村威夫の美術が合体した傑作。

港で愚連隊(懐かしい言葉)が並んで歩いているシーンは
まんま、”レザボア・ドッグス”。
タランティーノに真似された。

1966年 鈴木清順監督作品 川内康範原作・脚本 日活

■ブログランキングへ気が向いたらお願いします


最新の画像もっと見る

2 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
類似品? (こうじ)
2006-06-11 20:56:21
類似品とは何だ!!

おれら、この時代にこの作品を見たもんは

竹越ひろ子がほんまもんで、てつやが類似品なんじゃ!!

一回ひろ子のレコード聞いてみろ!!あほ!!
返信する
こうじさんへ (ブラボー)
2006-06-11 22:23:58
お怒りはごもっともです。



記事を訂正させていただきまして

竹腰さんとファンの皆さんに謹んでお詫び申し上げます。

渡さんのが後です。



先日竹腰さんが

「昭和歌謡大全集」という番組に出演され、

この歌を歌われたのを聞いて、

わたしも実は度肝を抜かれ。

完全にノックアウトされました。

返信する

コメントを投稿