録画した「にごりえ」を
堪能、かまけていたら
またもや「清盛」見逃したああ。
さらに
以前放送された
蜷川幸雄演出浅丘ルリ子などが出演した
舞台「にごり江」と
今井正監督の「にごりえ」を交互に
見比べるなどして悦に入っていたため
あっと思ったときには時すでに遅し・・・
地団太踏んでもあとの祭り~~だったのでした。
舞台「にごり江」では
濃厚妖艶ルリ子ちゃんと芝居の濃さでは負けない江守徹ちゃん(ちゃん?)が
ガチバトル。
江守徹は明治のやさぐれた男をやるには
福福しくてちょっと違和感あったけど・・・アクが強い
江守節を撒き散らしていて待ってました!感。
見ごたえはありました。ルリ子ちゃんは
伝法で粋で で、やっぱり原色!!なんだよねえ
映画版の淡島千景は儚げで虚無的でなぞめいていて
一葉が描いた「お力」そのもので
白昼さらされたその哀しい死に顔は
宮口精二の痩せた胸板と共に目に焼きつきました。
糟糠の妻、杉村春子も何度見ても上手いわ~~
すごく嫌味たらしいかと思うと女らしかったり・・
「おおつごもり」の
おおみそかの大店の風情も
たまりません!
それと、どうにもならない階級の差というものを
これでもか!と強調している作品であることをいまさらながら感じた次第。
堪能堪能・・・・・・・
甘露甘露・・・
*以前書いた感想文
ただし、今井作品には『たけくらべ』がありません。これは、同時期に五所平之助が美空ひばり、岸恵子、北原隆で新東宝で撮っていたからだと思う。先輩監督で、東宝ストの際も組合を支持してくれた五所平之助への今井正の尊敬だと私は思います。
今の若手役者にとって一番表現できないのは、貧乏なのです。何しろ見たこともないのですから。
「たけくらべ」は入っていないなあと
思っていたところでしたが
そういう事情があったのですね。
しかし今井正の貧乏の描き方は
徹底していますね。さすが筋金入りだなと
思いました。
確かに今の時代、貧乏を表現するのは
ムリかもしれませんね。
「にごりえ」の宮口精二の家とか・・「おおつごもり」の中村伸郎の家などすさまじいですね。
今の映画は
昭和を表現しても妙に
きれいきれいになっていて
「きれいな貧乏」「スタイル貧乏」描写で違和感ありますね。
蜷川演出のお芝居の方は
めくるめくように話が錯綜して
ひとつの世界を作っているのはさすがですねえ。テンションの高さもすごいですね。
今井正の映画『にごりえ』に「たけくらべ」がないのは、今井や文学座の久保万太郎らに美登利や信如などの初恋を描く気もなく、また当時独立プロや文学座に年少の役者がいなかったからでしょう。
今井正は、『にごり江』の後、「なぜ最初の車夫が、最後は酌婦を殺すのか」と女性から聞かれて愕然としたそうです。当時、オムニバス・ドラマは、日本では理解できなかったようです。
なるほど~~
当時オムニバスが理解できなかったという
お話は大変興味深いです。
とすると、そういう意味でもとても斬新な構成だったわけですね~
しかし淡島さんのお力は最高でした。寂しいです・・・お綺麗でした。合掌