ゴルフのスイングには
どう振り分けても 大別して二種類しかありません。
それは何でクラブを動かすか(移動させるか)ということで
①肩も含めた腕の振り
②体(胴体)の回転
この2種類しか ありません。
まあ 画像などを見ればわかりますが
インパクト時、 体の向きを見れば概ねわかります。
現代の主流のスイングは
目標方向を体が向いてのインパクト。
(右を向いています)
過去の体の回転で打つスイングは
ボールに正対してのインパクト。
(正面を向いています)
顔の向きでもわかりますね
30年以上前のスイング概念では
①の腕…昔は手打ち と言いましたが
駄目なものとされ、①のスイングを治すことが
スイング改善・改良・レッスン でした。
しかし、現代ではそれがスイング主流で
元々 多くはありませんでしたが、
体でクラブを動かす人は絶滅に瀕するようになりました。
①のスイングが主流になり始めた原因に
ドライバーショットの「高打ちだし・低スピン」
の理論があります。
打たれたボールは
その飛び出た角度やボールのスピードに応じて
適正な回転があることによって 浮力が得て
飛び続ける仕組みです。
ボールの速度が速い、打ちだしの角度(高さ)が高ければ
より少ない回転数で浮力を失わず飛ぶことが出来ます。
また ボールを飛ばす破壊力の源は
クラブヘッドの重量 × 運動速度 の二乗 で
それは ボール・飛びの三要素
ボールの速度・回転・角度(高さ)に分散、
何かが多くなると 何が減る という
3要素の合計はいつも等しい と言う仕組みです。
この3要素の中では ボールの回転はかなりエネルギーを消費し
かつ 距離そのものに直結する要素ではないので
これを限りなく減らしてしまおう というのが原理です。
従来 理想とされてきたスイングは
ティーアップと言う条件を除くと
体の前傾姿勢と右向きを向くテークバックによって
低くなった左サイド
インパクトへの進行方向サイドである左サイドが
低いことによって 上から入ってくる
その入ってくる軌道に対してのロフトによって
ボールの速度・回転・角度を生み出しました。
ですので
外観上はハンドファースト
地面に対してはロフトが立っているような状況での
インパクトです。
ところが 『高打ちだし 低スピン理論では』
軌道そのものを上に向けて
ハンドファーストは作らず、見てくれは寝たロフト
しかし 動かしてきた軌道に対してはより立ったロフト
ボールの回転は
動かしてきた軌道面に対する逃げ(ロフト角度)
によって 決まりますから
似たような姿勢の場合 上昇軌道のモノの方が回転は少なくなります。
破壊力を回転でなく よりボール速度に! という考えから
生まれたスイングで 科学的には間違いではありませんが
これを体の回転でしようとすると
体の回転は前傾姿勢が伴うので
上向きの軌道は=左向きの姿勢になります。
ボールはアドレス時 やや左目とは言っても
体の正面の幅の中にありますから
それを上向きの軌道で打つことにはかなり無理があるので
体を先に回し、上向きを作ってから
腕で振る と言うのが今のスイングになった訳です。
このスイングにすると
アイアンで言えば 7番アイアンを4番アイアン相当の
回転で打ちだすことが可能です。
上向きにボールを打つので 左足上がりの状況と同じで
その上向き加減によって
ボールの打ち出し角度を作り出すわけです。
理屈はわかるのですが、
あまりにも体に負担がかかり
アマチュアのオジサンゴルファーがホイホイとやれるモノ
ではないのです。
マシンから生まれたこの理論を
生身の人間にさせようとするこの理論が
ゴルフの衰退に拍車をかけると私は思っています。
確かに 空中に浮いたドライバーのようなものを打つ時は
この打ち方は可能です。
ところが それを会得すれば
地面から打つショットやアプローチなど
かなり難しくなるうえに、体への負担は大きくなります。
また 従来では 腕や体などが
ボールを打つ方向に動いている時にインパクトを迎えるので
ボールの重さ/衝撃に対し モーメントが高く
負け辛かったものが
今は クラブやヘッドだけを動かし
インパクト付近で 脚で地面を蹴れ とまで言われ
最大のモーメントを持っている体を 打つことに利用出来ません。
私個人はこの打ち方を否定「は」しません。
好き嫌い、選択の問題ですが、
楽しくゴルフをやりたいと思っている場合においては
✌体力に滅法自信のある方、
✌腕力に自信のある方、
✌年齢が若く関節に脂のある方、
✌痛めるのを覚悟の上の方、
✌地面から打つショットを犠牲にしても
体を痛めるのを犠牲にしても
ドライバーの飛距離にこだわる方
✌ゴルフクラブの性能・機能を無視し
ゴルフは腕!スイングは型! でやりたい方、
それを信じ込んでいる人が多く
それはそれで自由や好みだと思うのですが、
メリット・デメリット、向き不向きを把握した上で
選択されることをお薦めします。