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中・高生が持続可能な未来を考えるのに役立つ『テーマで探求 世界の食・農林漁業・環境』シリーズの第3弾。第一線で活躍する35名の専門家を執筆陣に迎え、身近な生活の題材を入口に、日本の林業と漁業の未来を解説する。
本書で取り上げられているのは、食卓と流通、資源問題、環境と生物多様性、世界の林業と日本の暮らし、森づくりと林業経営など、10の分野。
「漁業の未来」編は「魚食と健康」から「SDGSと持続可能な漁業」まで13のテーマを取り上げ、仁平章氏(茨城大学人文学部客員研究員)が編集して17人の専門家、研究者による強力な執筆陣をそろえた。
「回転寿しの魚はどこで獲れるの?」「水産物の輸入が減ってきているって本当?」「木で電気ができるの?」「海岸にマツが多いのはなぜ?」など、とっつきやすい質問を皮切りに、専門家達が明快に回答。さらに学びたい人向けに、深く掘り下げた解説も用意されている。豊富なカラーの写真と図版が目に楽しく、間には息抜きとなるコラムも。
「地球を守る海藻養殖」というコラムでは、「海草類は陸上植物に比べて炭素固定能力が高く、食料資源としての利用ばかりでなく、CO2の削減に大きな貢献ができると期待されています。」と紹介されており、海藻の環境を守るポテンシャルの高さに興味が湧く。
これからの地球環境と漁業・林業との関わりを見直し、新たな問題意識を持つきっかけとしたい。若い人だけでなく大人にもおすすめの一冊。
2023年4月5日農文協刊、B5判162ページ、定価2,860円(税込)。
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