日高東部沿岸で大量発生しているオオズワイガニについて、原因究明や有効活用の方策を今後3年間かけて道が道総研、地元漁協と協力して調査することになった。21日に開かれた道議会水産林務委員会(桐木茂雄委員長)で、地元選出の小林雄志委員(自民党・道民会議)が質問した。
水産林務部の高橋研司漁業管理課長によると、日高管内を中心に今年1月から毛ガニかご漁に混獲され、3月にはカレイ刺し網にも大量にかかった。そこで漁業関係者から有効活用の要望が出て、道総研などと検討を進め、5月下旬に現地の調査体制が整ったのを受け、細かな採捕の要領をつくり、6月初めに特別採捕の許可を出した。
浜では、カレイ刺し網が食いちぎられる、絡まるといった問題が起き、適正な漁法や資源利用の方法が課題となっている。道によると水深200m以上の深海に分布するオオズワイガニが沿岸で混獲され、漁獲量は年間200㌧と推定される。近年では昭和58〜63年に胆振管内で大量に獲れ、61年には年間2,300㌧、7億円の水揚げがあったという。しかし、沿岸に大量発生した原因はいぜん不明。オオズワイと言っても甲長6〜7㎝の小型が大半で、10㎝以上の商品価値のあるものは少ない。
近藤将基水産局長は「小型とはいえ、越前ガニ、松葉ガニの高級品と食味が近い。道内になかった資源なので、有効利用を検討したい。今後、かご漁業を用いて分布などの資源調査、加工原料としての活用などを3年間調査する」と有効利用に取り組む方針を示した。
テレビなどで連日オオズワイの話題が取り上げられ、美味しいことから、地元の直売場で1尾150円で売ったところ、人気となり500円に値上がりしている。
また、札幌駅前のセンチュリーロイヤルホテルは、スカイレストラン「ロンド」でオオズワイガニを使用した魚料理をメニューに取り入れ、提供したところ、好評を得た。同レストランでは浦河・様似・えりも・広尾の4町と連携した「とんがりロードフェア」を企画し、オオズワイガニもソースとほぐし身にして調理した。古川料理長は「料理として提供するのは初めてだが、本ズワイと比べても遜色ない。甘みがあり美味しい。数量限定となるが、多くの人に味わっていただき、北海道の漁業を考えるきっかけになれば」とコメント。
センチュリーロイヤルホテルでオオズワイのメニュー提供
スカイレストラン「ロンド」古川料理長
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