水産北海道ブログ

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道議会水産林務委員会で本道からの水産物輸出動向を説明

2020-04-10 10:20:03 | ニュース

 道議会水産林務委員会(三好雅委員長)が7日開かれ、北海道食の輸出拡大戦略Ⅱ期の推進状況が報告されたほか、新型コロナウイルス感染拡大に伴う食料安全保障、緊急対策の取りまとめなどで意見を交わした。

 まず佐藤卓也水産林務部長が「秋サケ、サンマ、イカなど本道の主要魚種が減産する厳しい状況にあり、さらに新型コロナウイルスの影響が加わり、漁業者が安心して漁業を営める対策が求められており、しっかり取り組む」と所信を述べ、幹部職員を紹介した。このあと、金崎伸幸水産局長が道産食品の輸出状況を説明した。2019年の道内港からの輸出額は、前年より110億円少ない664億円だった。そのうち、水産物・水産物加工品は538億円で同じく86億円減少した。今期の減少原因は、ホタテが322億円と77億円減少し、特に両貝冷凍品の輸出が盛んな噴火湾の養殖ホタテは前年の6.3万㌧から1.8万㌧に減産し、輸出単価も1割減少した。また、サケ・マスは秋サケ不漁を反映し、34億円と7億円減少した。主な輸出産品のナマコは121億円と前年比1億円減。一方、道産品の道外港からの2018年の輸出額は408億円で、うち水産物・水産物加工品は313億円となっている。

 質疑では、喜多龍一道議(自民・道民会議、十勝地域)が食料の安全保障に対する道の考えを質し「輸出促進のみならず、自給率の観点からの施策も大事にしてほしい」と要望した。

 また、桐木茂雄道議(自民・道民会議、釧路地域)が主要魚種の減産、栽培漁業の推進方向、新型コロナウイルスの感染拡大という変化に対応した水産業・漁村振興推進計画などを質した。佐藤部長は「平成30年3月に策定した推進計画ではヒラメ、ニシンの種苗放流、藻場の造成など資源増大対策を進めてきた。この間の海洋環境の変化、新型コロナウイルス感染拡大により、さらなる生産減少が懸念される。その影響や国の対策を踏まえ、経営資金など一刻も早く緊急対策を取りまとめる」と答えた。


スケソウ操業などロシア漁業にも新型コロナの影響

2020-04-10 10:17:54 | ニュース

 新型コロナウイルスが世界的に流行(パンデミック)する中で、日本と隣接するロシア、輸出先の欧米にも大きな影響が出ている。

 道機船連によると、全ロシア漁業水産物輸出者協会(ヴァルペ)のズベレフ会長は、ロシア政府の新型コロナの拡散防止対策として着業漁船・運搬船への検疫体制よる漁獲能力の低下、アジア市場の製品受け入れの鈍化などにより、ロシア漁業の損失は700億ルーブル(約980億円)に及ぶと明らかにした。同協会はベロウソフ第1副首相に書簡を送り、漁業インフラの財政的安定化のための措置を求めた。ズベロフ会長は、世界的な水産市場の急激な収縮として、中国の陸上加工能力とカニなどの需要低下、韓国でのスケコ販売のオークション中止、ヨーロッパの白身加工工場の閉鎖などを指摘している。

 ロシア漁業庁は3月17日、スケソウ操業部門本部会議を行い漁期開始からのスケソウ漁獲量は70万8500㌧で、前年同期より8%上回っていると報告した。このうち、春季抱卵スケソウ操業(Aシーズン)は、64万㌧500㌧で前年同期を6.8%上回っているが、新型コロナの発生によるメインの仕向け先の中国陸上加工能力の低下に加え、ロシア政府による拡散防止対策により、今後見込まれる漁獲の最大25万㌧を失う可能性があるとロシア・スケソウ漁業者協会が指摘した。ロシア政府は中国ばかりでなく、韓国に寄港した運搬船について衛生、疫学対策のため、ロシアの港への入港を始動しており、これに従った場合、14日間の検疫期間が求められる。ロシアのスケソウ製品の平均価格は㌧当たり1200〜1400ドルで、最大3億5千万ドルの損失が見込まれる。

 ロシアのスケソウ漁業は、洋上でH&G(ドレス)を生産し中国へ輸出、陸上加工場でフィレ製品に加工してヨーロッパ市場へ再輸出するのが主流となっている。ところが、新型コロナの影響で中国の加工場は5月まで本格稼働は見込めないと報じられ、中国の水産加工場のフル稼働は労働節(5月1日〜5日)の連休後になると見られるという。

 また、3月中旬に開催予定だった世界3大水産見本市として知られるボストンのシーフード・ショーが新型コロナの影響で延期となった。今年下期か別都市での開催を検討している。

 英国のEU離脱に関わる第2次交渉が中止され、EUの代表が新型コロナに感染、さらに英国のジョンソン首相も感染が明らかになるなど、政治日程はすべてご破算となっている。4〜5月に予定されていた次回交渉のメドが立たず、年内妥結に向けて交渉は一層厳しさを増している。EUは漁業分野の合意を経済分野などの一部と関連付け、英国海域への従前アクセスを求めているが、英国は独立した沿岸国として毎年の漁業交渉により、操業条件を決めると主張している。


2020年4月7日(火)発行/北海道漁協系統通信第6474号

2020-04-08 11:20:42 | 系統通信

新型コロナで安倍首相が「緊急事態宣言」と経済対策
対象地域からの「往来自粛は双方向で」と鈴木知事

日本海沿岸ニシン漁獲速報(3月20日現在)
累計漁獲量2,331㌧、豊漁の2018年度に迫る勢い

2020年漁期道知事管理TAC配分
道南太平洋スケソウ刺し網4万㌧、前年比14%減

道内沖底2019年漁獲状況
数量は1割上回ったが、単価安で金額は6%減

道漁連・道ほたて漁業振興協会
新聞折込みチラシ第2弾 家庭での道産ホタテ消費拡大へ

道さけ・ます増協が第5期増殖体制に向け検討協議会
支援策の見直しなど新たな体制の検討へ

「ぶりふりかけ」、フードバンク道南協議会へ提供

沙留漁協の鮮度保持施設竣工
施設内に前処理スペースを配置 加工体制を強化
サルレイブランドの品質向上に大きな期待

道議会水産林務委員会
サケ特採にアイヌ新法で「知事の配慮」手続き簡素化


2020年4月3日(金)発行/北海道漁協系統通信第6473号

2020-04-08 11:19:10 | 系統通信

道水産関係幹部人事異動(4月1日)
水産林務部長に佐藤上川振興局長、遠藤水産局長が根室振興局長

道総研幹部人事異動(4月1日)
中央水試場長に木村副場長、栽培水試場長に佐藤課長

水産庁が4月1日付人事異動発令
次長に神谷資源管理部長、後任に藤田栽培養殖課長

道産水産品初 檜山海参が地理的表示(GI)登録

札幌市中央卸売市場
新型コロナで水産物のせり中止 18日まで延長

新型コロナで、系統浜回り地区組合長会議が中止

= 単 協 役 員 改 選 =
[厚岸漁協]川崎一好代表理事組合長を再選
[釧路市漁協]近藤龍洋代表理事組合長を再選


日本海ニシン(3月20日) 2,300㌧でほぼ終漁

2020-04-01 22:55:12 | ニュース

 日本海沿岸のニシン漁は、石狩、後志の刺し網がほぼ終漁し、2,300㌧の2018年並みの豊漁となった。
 道水産林務部水産振興課がまとめた速報では、3月20日現在で2,331㌧で、前年最終に比べ14%増えた。

 また、過去10年間で最も豊漁だった2018年(最終2,596㌧)に次ぐ漁獲で、2013年(最終2,297㌧)並み
の水準だった。

 地域別では、石狩湾漁協が1,750㌧、そのうち厚田地区が871㌧、石狩地区が675㌧、浜益地区が205㌧。
後志管内は539㌧で、小樽市が364㌧、余市郡が115㌧、東しゃこたんが59㌧だった。そのほか留萌管内で
42㌧の漁獲が報告されている。

 札幌市中央卸売市場の取扱状況(1〜3月)をみると、石狩と後志を合わせ約1,100㌧。このうち石狩産は
約1,030㌧で、前年に比べ2割増だったが、㎏単価は20〜40円ほど安く、金額は約2億6千万円とやや伸び悩
んだ。