道議会水産林務委員会(三好雅委員長)が7日開かれ、北海道食の輸出拡大戦略Ⅱ期の推進状況が報告されたほか、新型コロナウイルス感染拡大に伴う食料安全保障、緊急対策の取りまとめなどで意見を交わした。
まず佐藤卓也水産林務部長が「秋サケ、サンマ、イカなど本道の主要魚種が減産する厳しい状況にあり、さらに新型コロナウイルスの影響が加わり、漁業者が安心して漁業を営める対策が求められており、しっかり取り組む」と所信を述べ、幹部職員を紹介した。このあと、金崎伸幸水産局長が道産食品の輸出状況を説明した。2019年の道内港からの輸出額は、前年より110億円少ない664億円だった。そのうち、水産物・水産物加工品は538億円で同じく86億円減少した。今期の減少原因は、ホタテが322億円と77億円減少し、特に両貝冷凍品の輸出が盛んな噴火湾の養殖ホタテは前年の6.3万㌧から1.8万㌧に減産し、輸出単価も1割減少した。また、サケ・マスは秋サケ不漁を反映し、34億円と7億円減少した。主な輸出産品のナマコは121億円と前年比1億円減。一方、道産品の道外港からの2018年の輸出額は408億円で、うち水産物・水産物加工品は313億円となっている。
質疑では、喜多龍一道議(自民・道民会議、十勝地域)が食料の安全保障に対する道の考えを質し「輸出促進のみならず、自給率の観点からの施策も大事にしてほしい」と要望した。
また、桐木茂雄道議(自民・道民会議、釧路地域)が主要魚種の減産、栽培漁業の推進方向、新型コロナウイルスの感染拡大という変化に対応した水産業・漁村振興推進計画などを質した。佐藤部長は「平成30年3月に策定した推進計画ではヒラメ、ニシンの種苗放流、藻場の造成など資源増大対策を進めてきた。この間の海洋環境の変化、新型コロナウイルス感染拡大により、さらなる生産減少が懸念される。その影響や国の対策を踏まえ、経営資金など一刻も早く緊急対策を取りまとめる」と答えた。