毎日暑い日が続きます。
すっかりネタ切れの飲兵衛、以前の記事から小学生による雄踏歌舞伎
「三人吉三巴白波~大川端庚申塚の場」を再アップいたします。
田舎歌舞伎を始めとして、地方の伝統文化保存会にとって一番大切
なのが後継者の育成です。
そのため、雄踏歌舞伎において今一番力をそそいでいるのが子供歌舞伎
の育成です。
今回(2020年1月)は,、その中心の中学三年生のグループが高校受験を控え
出演できませんでしたが、その穴を小学校四年生を中心としたグループ
が見事に埋めてくれました。
それでは小学校四年生による「三人吉三巴白波~大川端庚申塚の場」
をご覧ください。
江戸本町の木屋文蔵の手代十三郎は金百両を落とす。
拾った「おとせ」は十三郎に届けようとする。
(実際の歌舞伎ではおとせは夜鷹なのですが、さすがに小学校四年の子に
夜鷹は不適切ということで、ここでは町娘の設定で登場しました)
それを狙って美しい女装姿の「お嬢吉三」が現れる。
(ご両親の方々が舞台下に居て、ここぞとばかり大量の「おひねり」を投げ込んで
いました。)
おとせを呼び止めて、
お嬢吉三が近寄ります。
お嬢吉三はおとせに襲い掛かり百両を奪い、
大川に突き落とす。
ここからが名場面!
「月も朧に白魚の篝も霞む春の空、
冷てえ風も微酔に心持よくうかうかと、
浮かれ烏のただ一羽塒へ帰る川端で、
棹の雫か濡手で粟、
思いがけなく手に入る百両、
(御厄払いましょか、厄落し、という声が舞台の奥から)
ほんに今夜は節分か、西の海より川の中、
落ちた夜鷹は厄落し、
豆沢山に一文の銭と違って金包み、
こいつぁ春から縁起がいいわえ」
これだけの名科白を小学四年生の男子がすらすらとが言えるのですから、
大したものです。
その場を見ていたのが「お坊吉三」。
おとせから奪い取った百両を巡って二人は刀を抜いて争う。
通りかかった「和尚吉三」が止めに入り、争いの百両は和尚吉三が
預かり、三人の吉三は義兄弟の契りを結ぶ。
三人吉三が大見得を切るところで幕となりました。