ハナウタ うたこの「宝物がいっぱい」

自分にとっての「好き」や「嬉しい」を集めて綴る、ささやかなことのブログです。

秀じいの長い1日

2015年01月21日 | ❼ 秀じい

ある日 秀じいの職場に緊張が走りました。

それは秀じいがまだ20代のおそらく後半の頃。

課長が大声で叫んだそうです。

「〇〇君が今事故にあった。

 △△病院に緊急搬送されたそうだが、血が足りないらしい。

 この中に血液型O型の者がいたら協力して欲しい!」

 

 

O型の秀じいは名乗りを上げ、勇ましく病院に向かったとききます。

 

 

後から来た同僚は 病院内で秀じいを見て言いました。

「秀さん、真っ青じゃないか。相当抜かれたね。もうしばらく休んでいけよ」

 

 

 

秀じいは今でも言います。

「検査したら 俺の血は使えないって言われてさ。協力できなかったんだ。」と。

 

でも母はこっそり言います。

「あの日お父さん、前の人の採血を見てて 真っ青になって倒れちゃったのよ。

 貧血ってことになってるけどね。

 自分が注射も出来ない怖がりだってこと忘れてたんじゃないの。

 まあ、人はいいんだけどね~。」

 

 

ああ、父よ。

諸々 気の毒な父よ。

 

 

あの頃父は若かった。仕方ない。

 

でも秀じいは私に教えてくれています、人間はいくつになっても成長できるんだということを。

だって70歳過ぎて、あんなに苦手だった血液検査も、それどころか手術や点滴すら

乗り越えたのだから!(他に選択肢はなかったけどね)

 

そして75歳の今また 検査入院に挑んでいます(ルーチンです、もはや)。

明らかに飲み過ぎている酒が たまに警鐘を鳴らしてくれるのです。

今頃 検査中。

前回同様、怖くて きっと昨夜もいっぱいうなされたことでしょう。

 

 

ま、特に難しい問題もなかったってことで いつものように早く笑って帰ってきてね。

で、健康に感謝して また乾杯しましょうよ。