「15の夜」中の息子は 以前よりも私と距離を置いている。
私からのアプローチにはあからさまに嫌な顔をしたり
「しつこい」「うざい」「わからない」を連発もする。
私の方はというと 小さい頃からの習慣をなかなか変えられず困っている。
息子は成長し 母は取り残されるのだ。
習慣を変えるのは新しいことを覚えるより難しいかもしれない。
でも私には絶対の武器が1つある。
「耳かき」だ。
・・・・・・「耳かきしてやろうか?」
とボソッとつぶやくだけで息子はとんでくる。
昨日は息子から「ちょっと耳やってくんない?」と言われた。
でも断ったの、眠すぎて早く寝たくて。
絶対ダメ? ムリ? と何度も聞かれたけど
絶対ダメ、ムリ、 と何度も断ったら息子が言ったんです。
「耳が痒いんだ、頼むよ」
「え!?痒いの?」(私はなぜか“痒い”に弱い。痛いはほっとけるけど痒いはほっとけない)
息子は真面目な顔で頷き、
「『耳が痒くなってしまった』と容疑を認めております」
と言った。
“痒い”を使われ
この返事もちょっとツボで、
結局座布団1枚の代わりに耳かきをしてやりました。
息子はある場面において私よりも私を知っている。
息子は母親の転がし方を心得ているのだ。
・・・・ちょっと嬉しかったりして。
ええ、ええ、気持ち悪がってくれて構いませんよ。
可愛い息子君ですね。
お母さんのツボをこころえている。
憎いばかりに愛らしい確信犯です。
ずっとそんな耳かきが続くといいですね。
それにしても可愛いなあ。
どうしましょう、その通りなんです。
憎らしいほど可愛いんです。
でも母親から離れていくんでしょうね。
耳かきのリクエストのある今を大切に大切にしたいと思います。