Wさんの強い推しで読んでみました。
西條奈加さんの「烏金(からすがね)」
ああ、やっぱり読んでよかった(←心が温もっている様子を表しています)。
胸のすくような後味のいい、とても面白い本
でした
今、なんとも清々しい気持ちになっています。
話は江戸時代、決して評判の良くない「金貸しのお吟婆さん」のところに、
ある魂胆があって転がり込む主人公浅吉の語りで進みます。
「烏金」って、朝お金を借りてその日の夕方には利息を付けて返すという
お金を借りるパターンの1つだそうです。
朝借りたお金でその日の仕入れをして商売をし、稼いだお金で返済をするという
その日ぐらしに近い商いをする庶民の命綱のような貸金
の呼び名だったんですね。
浅吉が江戸は三軒町に住むお吟の元で一体何を企てているのか、そのために何をするのか、
それは何のためなのか、またお吟や浅吉はどんな人物なのか
、、、、
テンポの良い語り口で、なんとなく安心感を抱かせながらも、様々な厄介ごとが絡んできます。
でもそれら数々の問題を次々と、時に鮮やかに、時に生みの苦しみで片付けていく
浅吉の知恵と手腕には惚れ惚れすること請け合いです。
気づけばあっという間にラストです。
主要な登場人物は何人もいますが、特に面白いのは算術の先生である「おっさん」と
カラスの「勘左(かんざ)」。
話の主軸に関係あるような無いような、単なる彩のような話の要のような・・・
なんとも味わい深い2人?です。
何度も言いますが、清々しいったらありません
読後はきっと幸せな気持ちになっているはず。
江戸っ子気質の明るく軽快な読み物をお探しの方、こちらをおススメします
でもちょっと、ヘンな作品なのねん。
異色作というやつ。
時代小説ではなく、ファンタジーで、着流しに腕時計してるという、何だかヘンテコな設定です。
ゴメス っていうひとがとにかくすごい。
待ち遠しいわ。
同じく西條奈加の「ゴメス」(だっけ?)はどんなもんかね?
高安様のスピンオフ、これも納得です。
読まずして確信しますね、「間違いねえ」って。
Wさん、私今から図書館行ってくるよ
という題名で、今度は子供達が主役です。
毎回違う子の目線で描かれる連作短編の形をとってて、とってもしゃれてる。こちらもとてもよいのです。
あと、最後の方にちらっとでてくる、おっかない顔してるけど、なかなかねれた人柄の、与力の高安さま主人公のお作もあります。
はむはたる はねぇ、いなり寿司、強烈に食べたくなるから要注意。夜中によむべからず。