水曜日の現場は上尾だった。
夕方17時からちょっと遠い体育館で息子の卓球練習が入っていたので
16時半には車で家を出ないと間に合わない。
それまでに帰りたいから 仕事を早く終わらせないと。
現場に7時到着して早めに仕事をはじめようと6時少し前に家を出た。
出来れば5時に出て6時から始めたかったけど、
大きな音で苦情がきたらイヤなの、気が小さいのね。
最寄り駅に着いたら電車が出るところだった。乗れなかった。
あーあ、残念。
次の電車に乗り、
乗り換えをさいたま新都心駅でするか大宮駅でするか迷ったけど
さいたま新都心にした。
そもそもの始まりはこの選択だった。
乗り換えのホームでも目の前で電車の扉は閉まった。
あー、サイクルが悪いわ。
さっきのに乗れてれば今の電車に間に合ってたのにと一瞬思ったけど、
今さら無意味だ。
さて、私は田舎育ちなもので
ひとつのホームに行き先の違う電車が来るというのに慣れない。
で、やらかした。
気づいたら「次は土呂(トロ)~土呂」とアナウンスしている。
高崎線に乗る予定が宇都宮線に乗ってしまっていたのだ。
『ケトン体は人類を救う』って本を夢中で読んでいたせいだ。
私は2つのことを同時にしちゃダメなのに。
・・・・決してさいたま新都心駅のつくりのせいにしてはいけない。
大宮駅まで戻って高崎線に乗った。
頭の中で仕事の段取りを復習していたら
「上尾~上尾~」
というのでこれまた慌てて飛び降りた。
そして改札を出て、歩きながら気づいた。
なんか違う!
そうだ、今日の現場、住所は上尾だけど、最寄り駅は「桶川」だった!
油断した!
そういう落とし穴もあるんじゃないかと昨日ちゃんとグーグルマップで調べたのに~
駅から徒歩で20分弱かかるから印刷もしたのに~
なにやってるのよ~ どうすんのよ~
タクシーで、と考えたけど
いや、この時間の上尾駅周辺の道の混雑は伝説だから
電車の方が確実かもしれないと思い直してもう一度電車に乗ることにした。
小さな不幸続きの中で、この判断はナイスだと自分を褒めた。
私はなるべく小さな幸せをなるべくいっぱい集めることにしている。
・・・そんな気持ちわかるでしょ?
予定より40分もロスをして現場に到着。
でも、まだ7時40分なんだからいいよ、いい いい、きっと間に合う。
ああ、早めに家を出ていてよかった~と、小さな幸せを集める私。
・・・そんな気持ち、わかるでしょ?
部屋は3DKだった。
ひ、広いじゃないか・・・・
一気に高圧洗浄で!と思い、ブレーカーをあげたけど電気がつかない。
最近クリーニングの親方が張替のための襖を引き上げにこの現場に寄って、
クリーニング道具を一式置いて行ってくれていて、
その時には電気は通っていると言っていたのに。
この数日間に、きっと家主さんは東電に手続きを取ってしまったのね。
時間ないのに 何もかも手作業が決定!!!
小さな不幸せが集まり出したぞ・・・って思っちゃう、
そんな気持ちわかる・・・でしょ?
花粉症もトイレも空腹も忘れて仕事をして
近所の小学校のチャイムでお昼を知り、
昨日のうちに調べておいた蕎麦屋と洋食屋とラーメン屋、
一番近い(と言っても5分はかかる)店に行くことにした。
定休日も、営業時間も、場所も印刷してきた。
ぐっじょぶ。
右に行けば洋食屋、左に行けば蕎麦屋。
若干近い洋食屋に行くことにした。
潰れてた。
慌てて戻って蕎麦屋に行った。
潰れてた。
途方に暮れてうろうろしてたら
近所の人が水撒きに出て来たので声をかけた。
付近にコンビニはなく
8分くらい歩いた先にあるヨークマートが一番近い食料調達場所らしい。
うん、やっぱりナビタイムのマップ通りだ。
もう店の往復で20分もロスしてるのに~と思ったけど昼抜きは辛いから行くことにした。
でもヨークマートの数十メートル手前で小さなパン屋を発見したの。
不幸中の幸いです。
急いで買って、行儀は悪いけど歩きながら食べた。
だって、私には時間がないのだから!
でも、美味しかったから小さな幸せがまた一つ。
休憩なし、でも、散歩で気分転換できたのが更なる小さな幸せってことで。
タイムリミットの15時15分になんとか仕上げた。
さすが私だ。頼りになる。
ドロドロの作業着を着替えている時間はなかった。
さあ、帰るんだ!
ブルーハーツを声に出して歌いながら帰った。
田舎道で気持ち良かった。
達成感、ぱねぇ。
卓球に間に合った。
よく遅延する高崎線が遅延しなかったというラッキー。
私は運がいい。
ひゃっほー!
まあこんな風に、
私は毎日胸に情熱の真っ赤な薔薇を咲かせているんだぜ!