やまじゅん通信 “きょうのヤマ場”

日本共産党前神戸市会議員 山本じゅんじ WEB通信

神戸市の地球温暖化防止実行計画は見直しを②

2021-09-17 | 地球温暖化


環境保全協定
 神戸市の地球温暖化防止実行計画に関連して、質疑について触れておかなければならない点がもう1点あります。
きのうの記事で、市内事業所との間で交わしている環境保全協定について最後に少しふれました。
この環境保全協定を積極的に活用すべきですし、非常に大事だと思います。
この環境保全協定については、3月現在で109事業所と交わされています。
神戸市のHPには「排出ガス量、排出水量、延床面積、資本金などが一定規模以上の事業所(神戸市民の環境をまもる条例施行規則で定める指定事業所)を有し、かつ、本協定の趣旨にご賛同いただいた、環境保全活動に積極的な事業者と協定を締結してい」るとされています。
 
 この環境保全協定のうち、ある企業との協定内容に目が留まりました。質問でも少し指摘しましたが、本当にどこまで「環境保全活動に積極的な」姿勢なのか、疑問に感じざるを得ませんでした。
たとえば排出されたCO2ですが、「二酸化炭素の回収・有効利用・貯留技術について」として示されています。CCSと言われるものですが、まだ実験段階にすぎず、「国の動向を確認する」というものです。また、国内には安定的に固定できる地盤はありません。さらに二酸化炭素分離回収技術の技術開発ということも示しており、いずれも未確立や実験・研究段階の技術を並べただけのものでした。具体的な取り組みの計画と題しているにもかかわらず、時期も目標もなく希望的観測を示しているにすぎません。
とても無責任です。
しかも問題なのは、こういうきわめてあいまいな内容でありながら、神戸市は「協定内容が遵守されており、特段の措置は必要ない」としていることです。
協定内容を遵守といっても、そもそも協定の内容の水準がこれでいいのか。それをベースに遵守しているといわれても意味がありません。

 だいたい、この事業所が今後直接排出する温室効果ガスの排出量は、神戸市内から排出される温室効果ガス排出量を上回るものです。
こういう神戸市の姿勢でいいのか。神戸市は、少なくとも2050カーボンニュートラルをめざすと宣言したわけで、対応として極めて不十分です。
日本の温室効果ガス排出量の半分は、わずか約130 事業所から排出され、また排出量の3割以上が発電部門から排出されています。
こういうところにもかかわる社会的影響力のある企業であり事業所です。社会的責任をはたすよう、神戸市として強く求めることが必要です。


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