今日は東京フォーラムの第100回日本消化器病学会で、膵癌に対する術前化学療法の有効性について発表します。術前化学には大きく二通りあり、一つは切除可能膵癌に対して手術前に補助療法として計画的に化学療法を行うもので、もう一つは切除不能と診断して化学療法を行ったところ腫瘍が縮小し、切除を行う場合です。
前者が28例、後者が5例で、その生存率を検討しました。後者で切除できた人の生存期間中央値は約4年で非常に良好な結果でした。一方、前者の生存期間は、術前治療をしない手術先行例とほぼ同じでした。大血管に浸潤の疑われる切除境界膵癌 (borderline resectable cancer) では、切除率は確かに上がって切除は可能になるものの再発は比較的早く、予後の改善は認められませんでした。まだ、十分な結果が出ていないのではっきりとは言えませんが、術前化学療法に用いる抗がん剤の種類や、用いる期間を工夫する必要がありそうです。
前者が28例、後者が5例で、その生存率を検討しました。後者で切除できた人の生存期間中央値は約4年で非常に良好な結果でした。一方、前者の生存期間は、術前治療をしない手術先行例とほぼ同じでした。大血管に浸潤の疑われる切除境界膵癌 (borderline resectable cancer) では、切除率は確かに上がって切除は可能になるものの再発は比較的早く、予後の改善は認められませんでした。まだ、十分な結果が出ていないのではっきりとは言えませんが、術前化学療法に用いる抗がん剤の種類や、用いる期間を工夫する必要がありそうです。