SURGERY NOW note

がん治療と外科手術に関する新しい情報や日常診療を通じて感じたことなどを紹介します。

がん探知犬

2011-02-27 | 雑感
患者さんの呼気の臭いでがんの有無を判定するがん探知犬について報道がありました。千葉県南房総市の犬訓練施設にいるラブラドールレトリバーは、人の呼気の臭いで、がんがあるかどうかを判定できるそうです。犬が嗅ぎ分けているがん患者の臭いの成分はまだ明らかではありません。もしその臭い成分が同定されれば、手軽ながん検診が可能になるかもしれません。

ほんとうに好きなことならば、食べていくことができます

2011-02-26 | 雑感
このタイトルは、元外交官で作家の佐藤優氏が自分の高校時代に倫理社会の堀江六郎先生から言われた言葉として紹介しているものです。佐藤氏が琉球大学にするか同志社大学にするか進路について悩み、堀江先生に相談に行った時、先生は「ほんとうに好きなことならば、食べていくことができます。ただし、ほんとうに好きなことでなくてはいけません」と言われたそうです。この言葉は含蓄のある良い言葉だと思います。この言葉を聞いて佐藤氏は、就職は厳しいかもしれないけれども、学ぶ内容として最も興味のあった同志社大学神学部への進学を決意したのです。実は私も浦和高校時代に堀江先生に倫理社会を教わりました。

工学部ヒラノ教授

2011-02-25 | 雑感
現在中央大学工学部の今野浩教授の書いた「工学部ヒラノ教授」というノンフィクションの本を読みました。著者は論文(もちろん英語の)を100編以上書いた一流の金融工学の研究者です。そんなヒラノ教授こと今野教授は筑波大学助教授、東工大教授、中央大学教授を歴任したのですが、彼が各大学工学部で経験した楽しくも辛い研究と教育と雑用について、リズム感のある文章で熱く語っています。工学部の不思議な内情を楽しく知ることの出来る好著です。理科系、特に工学部を目指す高校生にも読んで欲しいと思いました。

膵がんに対する重粒子線治療班会議

2011-02-22 | 治療
本日は千葉市の重粒子線医科学センター病院で、膵がんに対する重粒子線治療の班会議に参加しました。現在は、局所進行膵がんに対する重粒子線とゲムシタビンの併用療法に関する臨床試験が行われています。局所進行がんの治療効果としては生存期間中央値18ヶ月と、かなり良い成績が出つつあります。今後は新たに重粒子線と化学療法を併用することで、さらに有効な術前補助療法としての可能性を示したいと考えています。

熱帯魚、7月24日通り

2011-02-22 | 雑感
吉田修一氏の小説「熱帯魚」と「7月24日通り」を読みました。前者は何でも仕切りたがりの若者が主人公で、後者はどちらかというと地味な若い女性が主人公です。私は後者のストーリーの方が好きでした。吉田氏の小説は、スッキリとしたきれいな日本語で書かれていますので、読んでいて気分が良くなります。