SURGERY NOW note

がん治療と外科手術に関する新しい情報や日常診療を通じて感じたことなどを紹介します。

いとうせいこう著「想像ラジオ」

2016-01-29 | 雑感
いとうせいこうさんは、植物男子ベランダーの原作である「ボタニカル・ライフー植物生活」の作者です。ボタニカルライフは随筆ですが、想像ラジオは小説です。津波で木の上に引っかかっている男性・DJアークが放送する想像ラジオのトークとリスナーからのやり取りが中心です。大震災と津波、そして原発事故に遭って亡くなった人々の会話と言えるかもしれません。内容は重く、問題意識も高いのですが、主人公DJアークの軽妙な語り口のせいか読みやすく感じました。是非お勧めの1冊です。

岡崎琢磨著「珈琲店タレーランの事件簿」

2016-01-28 | 雑感
サスペンスほどシリアスではなくて、ちょっとした謎解きのある小説です。謎解きが、少し素人っぽいのと、何より出てくる登場人物の性格とか人柄が目に見えるようには描ききれていない点が残念でした。京都市の色々な地名が出てくるのは楽しいと思います。

膵神経内分泌腫瘍に体する最近の考え方

2016-01-28 | 治療
従来、膵神経内分泌腫瘍は、比較的おとなしい腫瘍だと考えられていました。つまり転移や切除後の再発は少ないと思われていたのです。しかし、多くの患者さんの経過を観察してみると、リンパ節再発や肝転移の頻度が意外に高い事が分かってきました。初発例では約三割の患者さんで肝転移またはリンパ節転移が認められます。ですから現在では、従来よりも悪性度の高い腫瘍として治療するようになりました。

亀山郁夫著「新カラマーゾフの兄弟」

2016-01-28 | 雑感
ロシア文学者の亀山郁夫さんが書いた小説「新カラマーゾフの兄弟」を読みました。私も彼の訳の「カラマーゾフの兄弟」を読んでいたので、この小説には興味がありました。結論としてはまあまあのできかなと思います。でも本作と比べる緊張感が大部低い感じは否めませんでした。

知念実希人著「優しい死神の飼い方」

2016-01-13 | 治療
新年明けましておめでとうございます。新年早々死神?と、思われるかもしれませんが、実際は死神というよりは天使の話です。緩和ケア病院で起こる事件をめぐるサスペンスと、ヒューマンドラマもある小説です。気軽に読めますのでお薦めです。