SURGERY NOW note

がん治療と外科手術に関する新しい情報や日常診療を通じて感じたことなどを紹介します。

第51回日本胆道学会

2015-09-19 | 学会
2015年9月17-18日に宇都宮市で獨協医科大学外科の窪田教授のもと開催された第51回日本胆道学会に参加しました。16日は理事会、拡大プログラミング委員会、17日朝からプログラミング委員会、広報委員会、自分の発表、午後は評議員会、18日朝は社会保険審議委員会、専門医養成講座の司会と休む間もなく働きました。もちろん他大学の発表も聞き、とても勉強になりました。

なお来年は東海大学医学部消化器内科の峯徹哉教授が会長として横浜プリンスホテルで開催されます。多くの人が参加してくれることを期待しています。

膵癌術前治療研究会

2015-09-19 | 学会
9月19日朝から膵癌の術前治療について専門的にディスカッションする膵癌術前研究会に参加しました。会場はさいたま市のソニックシティです。午前中の要望演題の座長を藤田保健衛生大学の堀口教授とやらせていただきました。一日缶詰めでやっていたので、午後には疲れてしまいました。

村上春樹著「職業としての小説家」

2015-09-19 | 雑感
村上春樹氏の新刊で自伝的エッセイ「職業としての小説家」を読みました。彼が進学校として有名な神戸高校時代に原書で英語の本を読み始めたこと、そして今でも毎日1時間ランニングをして体を鍛えていることなど、色々面白い事を知りました。村上春樹さんの小説は最も好きというわけではないのですが、やはり気になっていて出版されると買ってしまいます。春樹ファンには必読の一冊ではないかと思います

ボーダーライン膵癌と切除可能膵癌の治療成績

2015-09-11 | 治療
最近よく「ボーダーライン膵癌」という言葉を耳にします。要するに術前の画像診断で、切除できるか、できないか判然としない進行した膵癌のことです。しかし、この言葉の定義は一定していないため、人によって少しずつ何処までをボーダーライン膵癌と言うかは微妙に違います。最も多く使われるボーダーライン膵癌の定義は米国NCCNの定義で、大雑把に言いますと、動脈に180度以下接触するか、門脈に180度以上接触、または門脈に180度以下接触していてさらに血管に変形・塞栓を認める場合です。東海大病院の最近10年間の膵癌切除例は300例を越えていますが、その約1/3がボーダーライン膵癌で、約2/3が血管から離れている切除可能膵癌でした。ボーダーライン膵癌の9割では門脈の合併切除を行っています。そして、ボーダーライン膵癌・切除可能膵癌とも術後約7割の人で補助化学療法を行いました。しかし、ボーダーライン膵癌の5年生存率は約10%と不良で、切除可能膵癌の約30%よりかなり低くなっています。

夏目漱石のこころ

2015-09-11 | 雑感
高校時代の国語の教科書に夏目漱石の「こころ」が載っていました。その時以来約40年ぶりに「こころ」読み直してみました。ストーリーの概略は記憶していたせいか、高校の時のような強い衝撃は受けませんでした。以下少しネタばれになりますが、同じ下宿の友人が自殺するのも、「先生」が最後に自殺するのも、理由が弱く現実的ではない気がしました。特に友人の自殺が根拠が弱い感じが強く、違和感すら感じました。ですので、私的にはこころより三四郎に軍配です。