SURGERY NOW note

がん治療と外科手術に関する新しい情報や日常診療を通じて感じたことなどを紹介します。

ホームページ更新

2007-02-23 | 雑感
 surgery nowのがん情報も少し古くなったので、そろそろ更新すべき時期に来ています。

 改訂すべき点としては、多くの新しい抗がん剤が保険で使用できるようになったことが挙げられます。膵がんに対するS-1、胆道がんに対するゲムシタビン、大腸がんに対するオキサリプラチンなどです。また、手術に抗がん剤を組み合わせて治療する補助療法も最善の確立した治療法(標準治療)として認められてきています。こうした情報を追加して更新したいと思います。

胃癌切除後のS-1の有効性

2007-02-20 | 治療
 2007年2月米国臨床腫瘍学会消化器がんシンポジウム(ASCO-GI)で日本の胃癌外科グループが、胃癌切除後のS-1の有効性について報告しました。

 この臨床試験は、ステージ2/3の胃癌術後に1年間抗がん剤のS-1を服用した群(529人)と服用しない群(530人)の生存率を比較した多施設共同の無作為化比較試験です。S-1群の3年生存率は80.5%で、手術単独群の3年生存率は70.1%と、S-1群の方が有意に (P=0.0016) 生存率が良好でした。この結果から、胃癌術後に補助化学療法としてS-1を投与することが最善な治療法すなわち標準治療として確立されたことになります。この成績を受けて私たちの施設でもステージ2以上の進行胃癌術後にはS-1治療をお勧めするようになりました。

浅野武秀教授

2007-02-19 | 雑感
 私が千葉大に勤務していた時に直接指導を受けた浅野武秀先生が今年4月より帝京大学肝胆膵外科の教授に就任することになりました。

 知識が豊富で、手術もうまい上に抜群のリーダーシップがあり教授の素質としては申し分ない先生ですので、教授になるのが少し遅すぎたくらいです。私も先生の発想力と若さを見習いたいと思います。帝京大学での活躍がいまから楽しみです。

膵がんに対する術中放射線療法の有効性評価

2007-02-18 | 治療
 2007年2月17日に厚生労働省がん研究助成金「胆膵がんに対する術中放射線療法の有効性評価に関する多施設共同研究」の班会議に参加してきました。

 この研究班では膵がんに対する術中放射線療法の有効性を検討するために、約4年半で約200例の膵がん切除例を集積することができました。成績についてはデータを集めている最中でまだ明らかになっていません。2年後くらいにはまとまった成績が報告される予定です。

新規開業した友人

2007-02-04 | 雑感
 千葉大学の外科学教室時代の後輩で都内で開業している友人と、最近食事に行きました。

 今では地域でも彼のクリニックの名前が浸透して患者さんも増えて経営は軌道に乗っているそうですが、開業当初は患者さんが少なく大変だったそうです。昨年末からはノロウィルスが猛威をふるっていて、風邪とインフルエンザの患者さんも多いそうです。スタッフの募集、備品の購入、医療費の計算など勤務医の時には無かった仕事でとても忙しいそうです。幸い現在は、良いスタッフに恵まれて仕事も快適にできているそうです。