SURGERY NOW note

がん治療と外科手術に関する新しい情報や日常診療を通じて感じたことなどを紹介します。

なぜか人は左に回る

2007-10-28 | 雑感
 日経新聞に「なぜか人は左に回る」とういう記事が出ていました。

 その記事によれば、人が右回りよりも左回りを好むことはどうも確かなようですが、その理由ははっきりわかっていないとのことでした。人が左回りしやすい理由として、左回りすることが多いから順応している、右に肝臓が寄っているからなどの仮説が紹介されていましたが決定的な原因は不明のようです。お店などのレイアウトにも人の流れの左側に店を配置したり、わざと右まわりにしてゆっくり品物を見せるなどの工夫がされているとのことでした。

 肝臓説がもし正しいとすれば、右の肝臓を切除した人は左側の肝臓が大きくなるので、右回りが得意になることになりますが・・・?。ちなみに犬の肝臓は人間より左側が大きいのですが、我が家の犬は人間と同じく左回りの方が得意のようです。

文化功労者に海老沢敏氏

2007-10-27 | 雑感
 2007年度の文化功労者に元国立音楽大学学長でモーツァルト研究で有名な海老沢敏氏が選ばれました。

 今から20年以上前になりますが、NHKの市民大学講座で海老沢先生からモーツァルトに関するお話を聞きましたが、モーツァルトの曲で最も有名なアイネクライネナハトムジークの今の形が作曲当初の姿ではないとか、終生モーツァルトが旅をしていたことやそのエピソードなど今でも鮮明に印象に残っています。海老沢先生は現在75歳だそうですが、インタビューでは5年後までに啓蒙思想家ルソーの研究をまとめて本を出版したいと述べていました。

 一流の人というのは大家で終わろうとせず、さらに新しいことにチャレンジする精神があるようです。免疫学でノーベル賞を受賞した利根川進先生も、記憶の仕組みなどの脳研究に分野を変えて研究を続けています。自分もなにか新しいテーマで研究するのは夢ですが、今のところ手術をするので手一杯ですので、やっぱり凡人の域から脱するのは難しそうです。

手術は続く

2007-10-25 | 治療
 夏休み中は少し手術が少なかったのですが、現在は手術患者さんが大変多い状態が続いています。

 手術患者さんが多いと、患者さんも入院待ちが長くなり大変だと思いますが、手術をする側もやはり大変です。私自身も今週4件、来週5件手術をする予定ですが、ほとんどが膵頭十二指腸切除・肝切除・胃全摘など大きな手術ですのでかなり疲れてしまいそうです。さらに手術が多いと、昼間手術をしては、手術後夕方に次の手術予定の方のインフォームドコンセントを取ることになります。来週は金曜までに手術5件行ったあとに、土日は広島でコンピュータ外科学会のビデオシンポジウムで発表する予定です。10月11月は学会シーズンで学会出張も多いので、いっぱいいっぱいな状態がしばらく続きそうです。

 しかし外科医の友人から病院の手術患者さんが減っていることを聞くことも多いので、多くの患者さんが国立がんセンター東病院に来てくれることは、外科医としては本当に恵まれていると思います。

新幹線でノートPC停止

2007-10-21 | 学会
 2007年10月19-20日に日本消化器病週間JDDW2007に参加するため神戸に行ってきました。

 行きの新幹線では暇なので頼まれている原稿を書こうと思ったのですが、今回初めて持参したPCは揺れを感知する機能があったため、のぞみが少し揺れるたびに停止してしまってほとんど仕事になりませんでした。揺れを敏感に感知するのも考えものです。

 学会ではどのような膵管内乳頭腫瘍は手術すべきかについて発表しました。明らかな浸潤癌と主膵管内に広がる主膵管型は高率に癌を合併するので全て手術すべきと考えられますが、もう一つの分枝型(腫瘍が主に分枝膵管内に存在)は良性腫瘍の頻度がとても高いからです。当然ながら100%良性腫瘍であると診断がつく場合には手術する必要はありません。ただし現在のところ悪性と良性を鑑別するのが困難なため、悪性の疑いがある腫瘍を手術すると、結果として良性腫瘍であったということが比較的多いのです。

 例えば、私たちの施設では浸潤癌を除いた分枝型膵管内乳頭腫瘍の切除例が約40例あり、大きさ3cm以上が約30例、3cm未満が約10例でした。3cm以上では約40%が癌で約60%が良性腫瘍で、3cm未満では癌は1例のみでした。これまでは3cmを一つの基準としてきましたし、国際ガイドラインでも3cm以上の分枝型腫瘍は手術を考慮することになっていますが、半分以上が良性腫瘍というのはやはり問題です。今後は癌と良性腺腫をより正確に鑑別できる診断法の確立が期待されます。

がん治療認定医

2007-10-20 | 雑感
 がん治療認定医の申請をしました。

 今年10月に第1回のがん治療認定医申請が、日本がん治療学会を中心として組織された日本がん治療認定医機構によって行われました。私もインターネットで申請したのですが、申請開始直後はアクセスが集中してなかなか繋がりませんでした。しかし、40分後くらいになんとか繋がり申請することができました。その時点で定員1100人中かなりの人数が申請済みでしたのでその後まもなく定員オーバーとなり申請が終了したようです。申請を希望していた多くの先生がアクセスできずに申請できなかったようです。今後はできるだけ多くの先生が申請できるようにしてほしいと思います。