先の6作品の続きである。
7.内村鑑三「代表的日本人」(明治27年)
8.無着成恭編「山びこ学校」(昭和26年)
9.宮本常一「忘れられた日本人」(昭和35年)
10.キャサリン‣サンソム「東京に暮す」(昭和12年)
11.福沢諭吉「福翁自伝」(明治32年)
12.藤原正彦「若き数学者のアメリカ」から「孤愁」へ
これら6編のうち、内村鑑三の「代表的日本人」は、童門冬二さんの本で読んでいた。
そして、無着成恭編「山びこ学校」も宮本常一さんの作品も、福沢諭吉「福翁自伝」も知ってはいた。
キャサリン・サンソムさんの作品は初めて知ったので、読んでみたい。
ただこの作品は岩波文庫から探すのも難しそうである。
以上のうち、無着成恭編「山びこ学校」は綴り方教室の本で、作文の書き方を教えた本と思っていただけで、
子供たちが書いた内容やその子供たちの境遇などはとんと頭になかった。
まして、その舞台となった場所が上山(かみのやま)であることもしらなかった。
上山は何度か温泉にも城跡にも周辺の観光地にも行ったことがあった。
最近では以前の職場の友人の出身が上山で、よく当地の柿やぶどうをごちそうにもなっていた。
説明の中にもあったが、生活綴方運動を推進した方々がマルクス主義者であったことが、読書界では若干嫌われたようではあるが、
身近な生活の中から、物事をとらえ、考えを深めることはいいことではないかと、私には思われた。
それにしても、当時の村の生活は大変だったと思う。それに比べれば現在はすばらしい生活環境であると思うのだが、
それでもいろんな不幸があることは、日々のニュースなどを見ても悲しいことである。
最後の、藤原氏の著作についての自身での説明を読むと、父新田次郎、母藤原ていとの小さな時の生活や、
父や母からのことばかけやその生涯から藤原氏はいろいろ学びながら、数学の研究や文学の執筆など
幅広い活動と、海外での留学生活などをしており、父や母、友人や親せきなどいろんな方の応援があって、
今に至っていると思うとうらやましいばかりであった。
私自身も子供や孫のために何か役に立つことをしてあげたいと思った次第である。