年末から年始にかけ読もうと思って、何冊か図書館から借りていた。
年が明け、返還期限がきた。
読んだのはこの本だけであった。
童門冬二さんは、私の好きな作家のひとりである。
歴史や人物に関する本がたくさんあり、何冊かは読んでいる。
年齢的には、私の父と同じ年代の方で、経歴にもあるが、
東京都庁に勤めていて、退職後に作家になったようである。
日本各地の地域や隠れた人物についての本もあり、いつも新しい発見ができる。
今回の本では、
1.青森県弘前市、鰺ヶ沢町と津軽藩
2.長野県飯山市と正受老人、白隠禅師
3.福岡県八女市と磐井の反乱
4.熊本県八代市と征西将軍懐良(かねなが)親王
などに興味を持った。
他に、童門氏の名前の由来が、太宰治と関係があることがわかった。
戦争中、特攻隊員であった童門氏は、価値観の変わった戦後、太宰治の小説が好き
になり、年令を重ねても忘れられなかった。
それは、ゲーテのファウストに対するメフィストフェレスのようであったので、
メフィストフェレスは悪魔であるので、デーモンをもじって「童門」としたようで
ある。
童門氏の健康の秘訣(この本は80歳近くなって講演に行った時の話、現在は96
歳くらいになっているはず)
・よく眠る
・過去をくよくよ考えない
・とにかく前向きに生きる
・食べ物に気をつける。夕食は好きなものを選ぶ。
・毎日、1時間ほど早朝に歩く。
・酒は飲むが、ドリンクをしてもドランクはしない。
「前向きに生きる」には、童門氏の好きな太宰治が言った、カボチャやヒマワリの
思想があるという。
太宰は「わたしはなにも知りません。ただ伸びていく方向に陽が当たるんです。」
といったと言い、童門氏はこれを信奉しているという。
この本の裏には、発行社からの説明があり、「歴史を現代的な見地から読み直し
、ビジネス社会を生きるヒントを提示する作家・童門冬二。・・・日本各地を
「無尽蔵の鉱脈」にたとえ、・・・各地の歴史・風土の息吹に触れながら、先人の
歩みに思いを馳せる。人生という「自分」発掘の道標となる一冊」とありました。