またまた、内館牧子さんの本を読んだ。
「終わった人」である。実は以前に「すぐ死ぬんだから」を読んだ後、別の作品を図書館に借りにゆき、目当てのものが無かったので、こちらを借りてきたのであった。
妻が読みたがっていたので、先に読んでもらった。
読み終えた後、読み始めた。妻があらすじを少し話してくれたが、あまり聞かずに読み進めた。
内容は映画化もされたので、知っている人もいるだろうが、地方の進学校から東大に進み、大手銀行に就職して、役員目前で子会社に出され、定年を迎えた男の定年後生活を巡る話であった。
端々にわが身にも染みる話であった。わかるのである、その気持ちが。自分の地位や置かれた処遇はぜんぜん違うのではあるが。
でも、主人公と妻のやり取りや娘や妻の従弟(いとこ)との話のなかから、いろんな考え方を知らされた。
物語は途中からとんでもない方に展開するが、波瀾万丈あって、考えてもいない方向に進み、新たな夫婦の形に落ち着くというものであった。
とにかく、前のブログでも書いたが、内館さんはよくそのような男女の気持ちを察することができるなあと不思議に思う。いろんな方から経験談などを聞くことで、世の男女の本音を上手く聞き出しているのだと思った。
おもしろく、ためになる作品であった。我が定年後人生(現在進行中ではあるが)にも参考にさせていただこうと思う。
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