写詩之日々

写真と詩を載せています。

つつしんで愛

2025-01-10 03:24:08 | ポエム・写真

一月一日の朝
見知らぬ女性と抱き合った

幸先よく日の出を拝み
華やぎに浮かれていると
案の定、初夢だったので
目覚めてお雑煮をほおばる

受けとった賀状は
僕と母の仕分けをして
苦手なヘビは
縁起のいい象徴と
気を取り直す

一月二日の朝
初恋の女性と
五〇年ぶりに再会をした
目と目が合い
懐かしさと嬉しさではにかむ

はじまりはいつも幻想に満ち
精霊の結晶が降りそそぐ
天から女神
吐息はしろく冴え冴えと

佳い年になりますように…
結び言葉に愛を込め


嘘と真実

2024-12-22 00:19:00 | ポエム・写真

嘘を嘘と思わなかった頃の
夜はしばらく薄目を開けていた
サンタが本物だったら
きっと天国に生まれていたはず

あれから本当の嘘を知り
ずるさも言い訳も覚えてきた
いまサンタは
本当にやって来ると
自信を持って言えるのは
君にわたせる
ほんの少しのプレゼント

仮装ではない
天国でもない
ランプの灯りを付けたまま
一夜だけ信じていよう
嘘の理由など
問わなかったときのように


人並み

2024-12-06 00:48:32 | ポエム・写真


いつも普通でいたいと
思い続けてきた

普通になりたいと思って
普通から逸脱した

普通とは何かと問われても
答えようがなかった

あなたが思うように思い
行動したいように行動する

それは簡単なことでした
そしていつも違っていました


恋の相談

2024-11-23 02:32:37 | ポエム・写真


幸せですかと聞かれて
いいえ、幸せですと答える
ハッピーですかと聞かれて
いいえ、ハッピーよと答える
君と僕は
似た考え方だと思ったが
その価値観はだいぶ離れているらしい

君の瞳は
僕を遠巻きにしている
いつも離れて
近づこうとはしない
鳥かごを覗くよりも
よそよそしい

女は一人じゃない
と身体の細胞はささやくが
システマティックに作られた僕は 
自分でも計算できない感情に
悩んでいるんだ
諦めろと細胞は簡単に言うが

          ※画像はCopilotにて作成。


朝の台所

2024-11-22 00:33:31 | ポエム・写真


朝の短い時間
(六時から七時くらい)
瑞々しい光が注いでいる
僕はまだ不自然な
まったりとした眠りの中にいる
一日が追いかけてきても
泰然としている

朝の台所に呼ばれた日
光は陽気に僕を包んだ
粒状のリボンが
台所いっぱいに舞踏した
思ってもみない出会いに
僕はふたたび
暗がりの眠りにもぐった

母は毎日
台所の光と仲が良かった
覗くと何かを頬ばっていた
受け入れるべきものを
すべて受け入れていた
それを見て
僕はまた布団に包まった