写詩之日々

写真と詩を載せています。

冬至夜話

2017-12-21 18:31:16 | ポエム・写真


地軸の傾きに乗っかりながら

長い夜の入口に立つ

かじかんだ手に

数冊の本をかかえ

電熱線ストーブの前で

ひっそりと過ごしている

温まったココアは直に冷める

足先に気を配りながら

とおく果てない夢をみる


最北端に近いロングイェールビーンでは

今夜オーロラが見えるという

闇に光るのは人々の眼と

天空の神々

暗闇と宇宙の輝きが交わるときだ

だれかとだれかが

手を繋ぐだろう


一冊の本を読みかけて

僕はながい夢の途中で引き返す

真っ直ぐにならなくていい

傾いたまま手を合わせる

スタンドの灯りは

頷くように瞬いている