こぶた部屋の住人

訪問看護師で、妻で、母で、嫁です。
在宅緩和ケアのお話や、日々のあれこれを書き留めます。
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「おくりびと」やっと見ました。

2009-03-01 23:13:20 | 読書、漫画、TVなど
なかなか見れずにいた、「おくりびと」やっとみました。
3日前から、ネットでチケットとっておいて、一人で映画館へ。
よかったです。すごく良かった。
「死」の表現が、とても自然で、淡々と描かれていました。
もっくんの美しい所作もさることながら、山崎努の存在感も際立っていましたね。
人それぞれの最後が、私の知っているそれぞれの最後と重なり、涙が止まりませんでした。
「死は、これで終わりなんじゃなくて、これから始まるのだ」と、焼き場の係りが呟きます。「ありがとう。いってらっしゃい。また、逢おう」と言葉をかけて、点火します。

納棺も、火葬場でかまが閉じる瞬間も、家族にとっては一番つらい瞬間です。
わたしの母が逝った時も、その時の悲しさはとても耐えがたいものでした。
「永遠のさよなら」母の手、母の肌の色、母の小さくなったからだ、母のもう二度と笑わない顔、白髪交じりの髪も、足も、すべて、すべてなくなってしまう時。
そう感じたのです。

でも、時間がたって、今は逆に母を感じることがあります。
時折訪れるフラッシュバックのような悲しみは、少しずつ遠のき、それとともに、自分の年齢が母に近ずいていく事に気がつきます。
いつか、また会えるのでしょうか。
きっと、会えるのだと思います。

私たちも、「死後の処置」とか「エンゼルケア」とかいわれるケアを行っています。
「おくりびと」をみて、もう一度振り返ってみようと思います。
私たちは、自分のかかわった患者さんのケアをするので、多少なりともその方を知っています。長いかかわりがあればご家族も含めて、その最後をどのように過ごされたかを知っています。
私たちなりに、心をこめてお別れの身支度をさせていただいていますが・・
肌を見せすぎているのではないか、無駄な動きがあるのではないか・・・
そんなことも考えたりしました。
最期の時が、残された家族にとって、美しいものにならなければいけません。
その方の、新たな旅立ちのために。

映画の中で、遺体を扱う仕事が不浄のもののように蔑まれ、忌み嫌われるなかで、モックンが、「死」と「おくるひと」の本当の意味を知って行く過程がとてもよかったです。
実は、だいぶ前に原作を読んでしまっていて、何も知らなければもっと感動していたんだろうなーと思い、つくずく後悔しました。
だって、次の展開がわかってしまうんですよー。

で、思ったことは、最初から映画として作られるものは、原作を読まないほうが良い!!とうこと。
映画目的に書いてあるので、本自体もあまり深く書き込まれていないし、映像を通して受け取るもののほうが大きいです。

逆に、原作がすごくいいものは、へたに映画化されたりドラマ化されると、ガッカリしたりイメージぶち壊しで、ミスキャストだー!!話が全然軽い!!と、暴れたくなることがままあります。
たとえば、「チームバチスタの栄光」や「ジェネラルルージュの凱旋」なんかは、
まったく違う話になってるでしょう??
田口先生は、あんなちびの泣き虫若造でも、美人の女医さんでもなく、もっと静な、渋めでそれでいて暖かな独身のオジサンだし、白鳥調査官は、ちびデブでゴキブリがイメージの、へんてこりんで頭の切れるギトギトおじさんなんだぞー!
だから、血まみれ将軍は、やっぱ中堅どころの渋くて、とてつもなくクールでシャープで腕のいい外科医じゃなくちゃいやです。
俳優さん事態はみんな好きだけど、小説のイメージをあまり捻じ曲げないでほしいと思うのは、わたしだけでしょうか???