こぶた部屋の住人

訪問看護師で、妻で、母で、嫁です。
在宅緩和ケアのお話や、日々のあれこれを書き留めます。
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地域連携

2009-03-23 00:11:13 | 訪問看護、緩和ケア
私の訪問看護ステーションのある区内には、大きな病院はありません。
でも、車で30分以内に、大学病院や公立病院など大きな総合病院が結構あります。ですから、大きな病院からの訪問看護の御依頼もかなりあります。
並行して、病診連携を行いつつ、各病院の地域連携の専門セクションが動いて、いろんな情報提供や、在宅療養に向けての準備、家族指導などをしてから、退院調整をして帰ってきます。必要があれば、私が入院先へも行きます。
最近は、ほとんどの病院で、ちゃんと地域連携セクションが機能していて、退院時の問題点もはっきりしていて、病状説明もちゃんとしてくれます。
特に、ターミナル期の方は、今後、化学療法など積極的にするのか、それとも自然に任せるのか、看とりに関して、最終的に病院にもどるのか、在宅にするのか。なども話しておいてくれます。
もちろん、すぐに決められることではないので、迷ったまま帰る方もいますが、基本はいくつかの選択肢をちゃんと提示しておいてくれます。

だから、帰る時点ですでに在宅での往診医が決まって帰る方も多く、そういう方は帰宅後も、あまり動揺することなく、ご家族の時間を大切に持つことが出来ています。

でも、なかにはいつまでたっても地域連携がちゃんと機能しない病院があるんです。
この連携の悪さは定評があって、ケアプラザのケアマネさんなんかも、いつも怒っています。
私も、何度も不快な思いをして、二度とここの依頼は受けるのやめようと思ったか知れません。
幸い、隣の自治体の病院なので、あまり依頼は多くなかったのですが、このところ急に増えてきて、その都度腹が立っています。
なにしろ、家族への病状説明や今後の経過、予後、治療方針もなんかいま一つはっきりせず、帰宅後の療養の選択肢も、まったく提示していないので、家族も本人も「何かあったら病院」としか聞いていないんですよ。

癌性疼痛のレスキューもチャンと説明しないので、この前は初回訪問で、「痛いときは何かお薬もらってきましたか?」と聞いたら「これですか?」と言ってアンペック10mgの座薬を出してきました。
「これは、どんな時にどのくらいの間隔をあけて入れればいいんですか?」とご家族。「これは、麻薬と聞いていますか?」「えっ!そうなんですか?何にも聞いていませんけど。」
物には順序があると思うのですが・・・まずはこれ、次はこれ、どんな時に、どれをどの位、間隔はどの位って。どれが鎮痛補助剤でどれが麻薬で、どれが鎮静剤なのかとか。
もちろん、今後の方向も、「また、元気なったら化学療法しましょうね。」と繰り返し、隔週通院させて毎回採血して「やっぱり、無理ですね。また今度来て」ってどんどん衰弱しているのに、ほとんど食べられないのに。
家族が、この状態で通院させるのがどんだけ大変かわかっているんでしょうか?
(この時のご家族は最後はカンカンに怒って、在宅での看とりに踏み切り、看とりまでされましたが・・。)
疼痛コントロールも、レスキューをちゃんと出さないから、痛くても次の受診まで我慢。入院しなくちゃコントロールできないの?
今までも、そんなことばっかりでした。
ひどかったのは、ターミナルの方の退院に、ケアマネ依頼されて病院に行ったら、医師に「ケアマネは頼むけど、訪問看護はうちの看護師が行くから」って、じゃあなんで訪問看護ステーションがケアマネやるの?
で、「うちの訪問看護は、病院のだから、週1回定期的に行くだけだから、時間外にはいけないよ。なんかあったら病院に来て」
ハ~。びっくりしました。ここまで在宅知らない病院があったのかと。
結局、この方は2日ほどしか家にいられず、病院の訪問看護師が来る前に病院に戻っていきました。

ここ数年やっと、地域連携室ができたと喜んでいても、内容はあんまり変わらず、
これからどこへ行くんでしょうね。
患者さんが一番かわいそうです。
とりあえず、初回訪問から少しずつ、在宅でも穏やかに過ごせること、自分で選択できるのだということを、お話しています。

もっと、在宅緩和ケアも含めて、地域連携が充実していくといいのにね。