こぶた部屋の住人

訪問看護師で、妻で、母で、嫁です。
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在宅援助の徒然 その2

2012-07-03 23:11:39 | 訪問看護、緩和ケア
いつのまにかぎっしりになったスケジュールを見ながら、なんでこうバランス良く押しなべて平均的に訪問調整ができないものかとため息をついています。

ご利用者さんに波がある事は、いつものことだけれど、そのご利用者さんの病状や背景は、その時代ごとに随分と変わってきましたから、こちらも時代に合わせて対応していかなければなりません。

傾向としては、独居のかたを別所帯のご家族が通い、または泊りで介護されることが増えてきました。
各家族化がすすんで数十年ですが、ここにきて伴侶に先立たれた方が介護される側になっています。
そうなれば、そのお子さんたちが介護を担うわけですが、相方の親を見るときに、どちらが看るのかで揉めたりすることも多いのではないでしょうか。

意外に、息子さんが献身的に泊まり込んだりされる場合も多いようです。

とはいえ、それぞれご家庭をお持ちなので、介護が長引くといろんな影響が出てきます。

そこをどう支えていくかが、在宅の腕の見せ所なのでしょうが、そうそううまくいくことばかりではありません。

さらにいいえば、病院側も「この状況で退院?」と思われる方を地域につき返してきます。

たとえて言えば、経済的に困窮した末期の独居患者さんだとか、ご家族全員が精神障害をお持ちで、家事も介護も困難であるとか、帰っても必要な療養環境が確保できないとわかっていても帰してきます。

退院調整と言っても、受皿側がとりあえずのサービスを設定して、とにかくやってみなければどうなるかわからない状況なので、考えたところでどうにもならないケースは山ほどあるのです。

先日もテレビで身寄りのない独居の終末期の患者さんが、病院から出されてしまう現実を、ドキュメンタリーでやっていましたが、ああいうことはごく普通に行われているのです。

近隣の連携室の看護師長さんも「とても在宅は無理と思っても、主治医が退院と言えば、どうしようもない。」と言っていましたが、病院の役割を突き詰めれば致し方ないのかもしれません。
それならそれで、もうちょっと在宅の在り方も考えて行かないと、結局制度の間でにっちもさっちもいかない人たちが増えてくると思います。

じゃあ施設に入れるとか、転院させればいいじゃない。といわれても、これもおいそれとは見つからないのが現状です。
転院しても、それほど長くいられるわけでもなく、施設は施設で手のかかる、医療ニードの高い人は真っ先に敬遠されてしまいますから、残るは在宅しかないわけです。

病院でもなく、施設でもなく、かといって何でもアリじゃなくて、最後を過ごすことのできる独居者専用の入居施設とか、精神障害と重度の疾患を合併した患者さんの専門病院とか、そういう場所は出来ないものでしょうかね・・。

あるとしても、とても数が足りないのでしょうし、まだまだ置き去りにされている問題が、山のようにあるのが在宅です。