こぶた部屋の住人

訪問看護師で、妻で、母で、嫁です。
在宅緩和ケアのお話や、日々のあれこれを書き留めます。
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炭酸浴効果再び!

2012-07-25 22:39:40 | 訪問看護、緩和ケア
今週は緊急当番です。
今月は、緊急電話を持つと、緊急訪問やお看取りにあたっているので、そういう巡りあわせの時期なんだと思いますが・・。

昨夜は、おばあちゃんが夜食あたりで吐いていたり、うららが騒いだりで、やっと12時過ぎに眠りについたのですが、朝の4時16分に緊急電話のバイブで起こされました・・。

「○○さんが、今亡くなりました。吐血でかなりすごいことになっていて、死後の処置を含め、お手伝いお願いします。」という小澤先生からの電話でした。
すでに先生は死亡確認をして、患者さん宅からの電話でした。

うーん、今はみなさん落ち着かれていて、すっかりノーマークで気を抜いていました。

とにかく着がえ、簡単に化粧をしてステーションまで行き、さらに訪問の服に着替え、エンゼルセットを二つもって駆けつけるまでに、30分以上かかってしまいました。

お宅の外で、小澤先生とすれ違うかたちとなりましたが「ご家族と一緒にシーツと衣類は変えました。あまりに出血がひどかったので、それだけはお手伝いをしてきました。あとはよろしくお願いします。」そう言って朝もやの中を去っていきました。

近所の畑が朝もやの中で、妙にきれいな朝でした。

吐血の場合は、口腔内や鼻腔内にたまった血の塊を丁寧にとり、ご遺体処理用のキットで消化管や副鼻腔からの逆流がないよう、しっかりと詰め物をします。

下血の場合は、直腸内をきれいにしてから、やはりしっかりと詰め物をします。

枯れるように亡くなられた場合は、本当は何もしなくても、大丈夫です。

死後の処置には、賛否両論ありますが、ケースバイケース、ご家族のご要望も聞きながら、柔軟に行えばいいのではないでしょうか。
結局記録やら何やらで、6時半にステーションを後にして、いったん帰宅して1時間ほどの仮眠をとりました。
うちのステーションでは、深夜、早朝に出動した場合は、午前中の1件目は振り分けて仮眠をとれることになっています。
2件目からの、訪問を終えると次は認定審査会、それが終わると皮膚科の往診介助というスケジュールでした。

自費での介助料を頂いての往診介助ですが、うちのステーションで、なくてはならない業務です。

餅は餅屋という言葉がありますが、たかが湿疹、されど湿疹。
内科の主治医でなかなか治らず、往診をお願いした途端3日で治ってしまうなんてことも良くあります。
専門医の確かな診断で、患者さんの苦痛は嘘のように軽減するのです。

先日炭酸入浴剤ですごく早く回復している患者さんの話をしました。

その患者さんのところに行ってきましたが、実際見て改めてびっくりしました。

たった1か月で、真皮を超える深い褥瘡が、左踵部でほぼ上皮化。
右踵部で、わずか3mmほどにまで縮小していたのです。
しかも、先週の写真では見られていた黄色の不良肉芽までもが、ほとんどなくなっています。

現在、花王の関係者のご親族ということでの治験ですが、無色無臭の炭酸浴粉末を使って、毎日足浴することが、これほど効果的とは、皮膚科の増田先生も「私の知っている限り、この褥瘡からの回復では、最速ですね。」と言っていました。

いまのところ、ほんの試作段階という炭酸浴製剤。

これから、治験を本格的にやるのなら、ぜひ声をかけてほしいものだと思います。

ちなみに、某訪問入浴サービスでは、お風呂のお湯に高濃度炭酸水を入れて入浴サービスを行っています。
もちろん、この入浴サービスを使っていた患者さんも、難治性の仙骨の褥瘡が消失しましたので、
やはりもっと多くの人に知ってもらいたいです。