自分はベルばらはそれこそ
遺伝子レベルにとけこんでいるくらい
年若い頃に接して
離れて戻ってを繰り返してる作品です。
不朽の名作とよばれる、
読んで当たり前とされる作品、
コンテンツ全般は、
いつの時代にも受け入れられるものと、
時代補正が入っているから熱中できるものと
わりとぱっきり分かれるのではないか、というのが
最近の私の意見です。
先日、1970年台後半に雑誌連載された、
名作とされる漫画の完全版を読んだんですね。
タイトルは絶対書けませんが、
マジ、名作として認識されている、大家の作品です。
が、正直、つまんなかったんですよね、
理解できないというか、ほんとにわからず、ぽかーん、で。
初回で理解できないなら、もう一度、と
再読したけど、やっぱりわからない。
連載当時に読んでなかったから、きっと、
熱量入らないんだなと思い、あっさり手放しました。
後悔なし。
理解できない私がいけないんじゃない。
今の私が読んで良い作品じゃなかった。
年代古い作品は、思い出補正のフィルターが入るから、
神! 名作! おすすめ! と言えてしまう。
そのフィルターが入らない、ピュアな状態で楽しめないなら
神でも名作でもない。
私の人生にはいらないんです。
この1作の読破経験から、
時代が古い作品ほど安易に人に勧めてはいけないんじゃないか?と
躊躇するようになりました。
時代の空気感まで共有してくれ的な押し付けになりそうで。
閑話休題。
で、ベルサイユのばらです。
漫画原作はもちろん、
宝塚歌劇や映画、アニメに転換している作品です。
自分はリアリタイムの熱気を知ってますが、
はたして初見の方はどう受け止めるんだろう。
原作漫画をどう読み込むのか。
映像、特に漫画はやっぱりその時代のメソッドで
書かれているところがあるから、
今風の作品とは明らかに違うんですね、
コマ割りとかキャラの造形とか、
台詞回しの日本語とか。
最近はあっさりと
「絵柄が古い」「今風ではない」と、
過去の名作を断じる風潮もあります。
ベルばら、いけてますかね?
楽しめるでしょうかね? 今の方も。
これ、古い漫画なんですよ、マジで。
そーいう初見の、今の時代を生きる方への導入として
つい先日公開になった映画版・ベルサイユのばらは
大変良い作りになってたと個人的には感じてます。
面白かったです。概ねよかったです。
100%受け入れられるかというと難しいですけど、
よくぞこう解釈したと感心した。
期待してなかったからかもしれませんが。
まあ、ベルばらならなんでもオッケーなんで、
言葉半分に取っといてください。
意見はひとそれぞれだから。
しかし、この短い尺で、
あれもカット? これもカット? という
エピソードカットてんこ盛りなのに、
ちゃんとベルばらになってたのには驚きました。
原作読んでる人には「おおお!というワンカットもあったけど、
あれ、初見さんは絶対気付けないね。
ネタバレになりたくないので、あんまり書きませんが、
原作リスペクトなのか? 70年代漫画へのオマージュなのか?
漫画ならではの表現まで再現は、せんでよかったんでないの? と
吹き出しそうになったシーンが多すぎました。
北島マヤか? 亜弓さんか? てきな白目は、
やっぱり70年代少女漫画的な手法ですよね、
でも、楽しかったからよし。
オスカルの髪のつやを、少女漫画らしく線で表現してるところは、
いやいや、そこは今のアニメの手法でいいんじゃない? と思ったけど、
やっぱり原作の造形へのリスペクトだったのでしょうね、
手間かかってるなあと感心した。
私自身、年を食うに従い、
オスカルの思考に少しついていけないというか、
うーーーーん、というものを常々感じていたので、
そこへ一つの解答をもらったような、
彼女のフランスへの愛国心の発露、ここは目から鱗でした。
今風に転換するなら、この書き方こそ正解な気がしたので、
もう、諸手を挙げて賛成できます。
あと、バスチーユ攻略前日・当日を、
一瞬でも現場の地理感を掴めたのは目から鱗でした。
そうか、こんな感じで軍や民衆は動いていたんだな。
ここはもっと丁寧に見てみたい。
つまり、今回の劇場版作品は大変楽しめましたので、
あと1回は再訪を考えています。
もちろん、チケット代出して。
今回は、映画館のポイント消化で無償で鑑賞できたので
次はちゃんとお支払いします。
シニア料金で(大笑)!
で、これ、ディレクターズカットのご予定はあるんでしょうか?
オスカルメインでエンドになったから、
アントワネット側のエンドも見てみたいんですよね。
エンディングのキャプションだけで済まされてしまったのが残念で。
お願いします!
最後に。
特別参戦したというナレーターさん。
正直、いらないと思いました。
大人の事情で端折れなかったんでしょうけどね、
ここだけは言いたい。
邪魔でした。
別のジェンヌさん、そうですねえ、
天海さんなら諸手を挙げて歓迎しましたねー。
差し替えしていただきたいくらいでした。