『何でここに来たのかね』・・・
『うちは日本一の寮を目指します』・・・
『 元氣 ・ 本氣 ・ 一氣 ~佐藤茂富の高校野球 』
今回は、北の大地 北海道勇払郡 むかわ町にある、佐藤茂富監督率いる鵡川高校の話しです。
山本五十六師の武士道精神を貫く佐藤監督。
『北の球人』を読んで、また新たに応援したくなったチームと、尊敬できる監督さんに出逢いました。
鵡川高校の野球の歴史だけでなく、人へ対しての思いやりや礼儀の大切さ、また著者の岡崎 敏 氏が本書を執筆されるにあたり
『自信を失いかけた人へ元気の元になりますように・・・』の元気をもらった一冊でした。
佐藤監督さんは、栗山高校で監督生活をスタートされ、その後、砂川北高校で春一回、夏二回 甲子園に出場。
その砂川北時代、高野連でも禁止されていたスパイクを履いてきた選手に平手で殴打したことが原因で、一年間の指導禁止処分になる。
この事が原因で、佐藤監督は鵡川の地に・・・
『何でここに来たのかね…』
弱小チームだった鵡川高校野球部が甲子園出場を果たすスタートとなる。
とにかく食べる。日本人は米を食べなきゃだめと、食には練習と同じくらいの比を置いている。
そして、とにかく何をするにも全力疾走。
鵡川の町の人の暖かさと、三氣塾で暮らす選手は町の方の愛情いっぱいの手作りの食事で力をつけ、強くなっていく。
甲子園に無縁だったチームが甲子園出場を果たす道のりと、選手たちが佐藤監督野球の色に染まっていく姿に感銘しました。
佐藤監督流指導の理念 ~五常の精神~ 『仁・義・礼・智・信』
この五文字は、この本を読んでみて佐藤監督さんの貫く信念、思いやり、心の大きさ、大らかさが表れている五文字だと思います。
『勝ちにこだわるな。戦う相手を尊敬せよ。立派なゲームを心がけよ。立派な負け方も高校野球の真髄である』・・・
本誌で知りうる佐藤監督さんらしい言葉である。
携帯はもちろん禁止、即退部。外出も禁止。
学校とグラウンドへの往復も、もちろん走る。とにかく走る。
選手は町へも行った記憶がないくらいという。
恐怖の100本ノックと究極の全力疾走・・・
一見、頑固な監督さんに聞こえるが、良いと思ったことには対応もスピーディーな佐藤監督さん。
環境が一番大事と、自ら自身の財産を費やしてグラウンドや練習環境を整えられたり、選手とのコミュニケーションの日誌や、
選手との家族との交流も大事にされている。
北島三郎が好きだという佐藤監督さん。
甲子園のエンディングテーマを歌われているシンガーソングライターの西浦達雄氏とも交流があり、
音楽が何かを動かすとポップスの歌詞を聞かれるそんな監督さん・・・
初めて甲子園で対戦したチームの選手が後にアクシデントで重度の障害を負う。
そのことを知った佐藤監督は、その選手の元へ。
一たび戦いが終われば、戦友も百年の知己というそんな監督さん・・・
寝食共にする、1番多く監督さんと生活している3年生選手を大事にするそんな監督さん・・・
人への尊敬、礼儀、思いやりを持たれ、厳しい中でも大きな心を持たれている大らかな方だと感じました。
砂川北時代の元エース 村上信二氏が言う。
『人生の中で最大のインパクトを与えてくれた人・・・』
村上氏は脱サラしラーメン屋を営んでおられ、店の名前は『ラーメン茂富』
それだけで人望の厚い監督さんだということが分かる。
この本を読んで、佐藤茂富監督ファンになっただけではなく、人として親としてこうあるべきということを学んだ一冊でした。
そして今夏、甲子園で名物、佐藤監督ノックが見れることを楽しみに・・・
最後に、鵡川高校野球部『三氣寮』の食堂に掲げられている、先にも記した山本五十六 師の言葉を。
『 男 の 修 業 』
苦しいこともあるだろう
云い度いこともあるだろう
不満なこともあるだろう
腹のたつこともあるだろう
泣き度いこともあるだろう
これをぐっと古らえていくのが
男の修業である
本三氣塾は北海道鵡川高校野球部員の人生修業の寄宿舎であり
『元氣』『本氣』『一氣』の三氣野球を実践する。
先日の新聞に、佐藤監督さんが重んじる山本五十六 師について、たまたま記載されていた小史が目に止まりましたので、山本五十六 師のあしあとを。
山本 五十六
4月18日(1943年・昭和18年) 山本五十六戦死
連合艦隊司令長官として太平洋戦争の指揮を執る山本五十六大将は
南西太平洋のブーゲンビル島(現パプアニューギニア領)上空で搭乗機が
米軍機に撃墜され死亡した。
前線視察の暗号電報が米海軍に解読され、待ち伏せ攻撃された。
また、本誌 『北の球人』の表紙の題字は、佐藤監督さんが書された自筆だそうです。
佐藤監督さんの、お人柄が表れている文字だなぁと思います。
今回は鵡川のたんぽぽ公園の雄大な景色と共に写真にしてみました。
たんぽぽ公園の写真はDO PHOTOさんからお借りしたものです
http://photo.hokkaido-blog.com/