隊長の地元文京区内や近隣を散歩する「街歩き」シリーズの第30回は、『初夏の護国寺巡り』をお送りします。
初夏の一日、東京都文京区大塚5丁目にある徳川家ゆかりのお寺「護国寺」へ行って来ました。
護国寺は、天和元年(1681年)五代将軍徳川綱吉が、生母桂昌院の願いにより創建した祈願寺です。
同寺への最寄駅は東京メトロ有楽町線「護国寺駅」なのですが、今回は文京区のコミニティーバス“Bーぐる”に乗って出かけました。
始発は「文京シビックセンター」⇒ http://blog.goo.ne.jp/taichou-san2014/e/08c4444122679eb71808ad22214e0098 です。
20分間隔で発車する“Bーぐる”の「目白台・小日向ルート」に乗車、料金は100円。
バスは途中、「江戸川公園」や「椿山荘」⇒ http://blog.goo.ne.jp/taichou-san2014/e/2de779378472a5fd47c190f71f86f6ce にも立ち寄ります。
17番目のバス停「護国寺駅」に到着したのが、出発してから32分後です。
不忍通りに面している「仁王門」が境内文化財巡りのスタート地点です。
同門は、元禄10年(1697年)建立の護国寺本堂よりも後の時代に建てられたものと考えられています。
構造は八脚門、切妻造(きりづまづくり)で、屋根は本瓦葺です。
正面両脇間には、東側に吽形(うんぎょう)、西側に阿形(あぎょう)の金剛力士像が安置されています。
仁王門を潜り、裏手に廻ると背面両脇間には、右に増長天、左に広目天(こうもくてん)の二天像が安置されています。
境内の案内を眺めると、広大な敷地のあちこちに歴史的建造物が点在している様が判ります。
本堂に向かってまっすぐに脚を進めると、階段の前に唐銅蓮葉形の「手洗い水盤」が左右に一対二基設置されています。
江戸元禄期から明治大正期には、この蓮の葉の形をした水盤には境内の湧水が利用されていたそうです。
目の前に見える「不老門」への階段は、上がりながら数えてみたら50段ありました。
不老門を潜り、右側を見ると「大仏」が鎮座しています。
「本堂」の左手前には、「多宝塔」が聳えています。
同じく本堂の左手前にある「月光殿」は、滋賀県大津市にある園城寺(おんじょうじ)の塔頭(たっちゅう)日光院の客殿を、昭和3年に現在の場所に移築したと言われています。
月光殿は、平成20年度から保存修理が行われていましたが、平成25年11月に工事が完了しました。
「本堂」の辺りは高台なので、心地良い風が通り抜けています。
本堂が建立された元禄10年(1697年)8月27日には、将軍綱吉が参詣し、桂昌院に出迎えられたそうです。
本堂の天井には、綱吉の書による「悉地院(しっちいん)」の号が掲げられています。
本堂左裏手にある「薬師堂」は、元禄4年(1691年)に建立された「一切経堂(いっさいきょうどう)」を現在の場所に移築し、薬師堂として使用するようになりました。
柱間に花頭窓(かとうまど)を据えているなど、禅宗様建築の手法が取り入れられているのが特徴です。
境内の裏手には墓地があり、著名人の墓などもありました。
最初に見つけたのは、隊長の母校の創設者「大隈重信」の立派なお墓です。
次に見つけたのが、空手家の「大山倍達(おおやま ますたつ)」のお墓。
大仏の裏手にある「鐘楼(しょうろう)」は、江戸時代中期に造営された格調の高い袴腰付(はかまごしつき)重層入母屋造です。
鐘楼の真下にある「大師堂」の外観は、一重の寄棟造(よせむねづくり)で桟瓦葺(さんがわらぶき)です。
階段を降り、左に曲がり、「惣門(そうもん)」を潜り境内から出ます。
惣門の形式は、社寺系のものではなく、江戸時代武家屋敷門の形式です。
護国寺が江戸幕府の厚い庇護のもとにあった歴史を反映している門だと言えるでしょう。
帰りも「護国寺駅」のバス停から“Bーぐる”に乗車、33分かけて終点の「シビックセンター」に到着しました。
初夏の一日、重厚な歴史を感じることが出来た「街歩き」でした。
===「街歩き」バックナンバー===
http://blog.goo.ne.jp/taichou-san2014/c/c2c437caab6ac1e2be19246ef261eea9
第1回~20回 省略
第21回 2014/7/9 『東京大学の銅像』(その1) http://blog.goo.ne.jp/taichou-san2014/e/f8d31e84f2ade8a109821981b9a78e21
第21回 2014/7/11 『東京大学の銅像』(その2) http://blog.goo.ne.jp/taichou-san2014/e/fc8363e2101fd172ee65eb97b91602dd
第21回 2014/7/14 『東京大学の銅像』(その3:最終回) http://blog.goo.ne.jp/taichou-san2014/e/dc38c60c4d2e84edd07a7df46944bdd9
番外編 2014/9/22 『本郷東大前の地図』 http://blog.goo.ne.jp/taichou-san2014/e/edb91db8e9d2ad38e4623ec3b984727c
番外編 2014/11/22『「春日門」開門』 http://blog.goo.ne.jp/taichou-san2014/e/c367eba27c7fcae891b7ba87d9fd99e7
第22回 2014/12/10『六義園』 http://blog.goo.ne.jp/taichou-san2014/e/a0adcab47830fbcf3a6c9ddc93d8fe57
第23回 2015/1/2 『芝増上寺』 http://blog.goo.ne.jp/taichou-san2014/e/b37a29f94aae979d92036702a5eddd4e
第24回 2015/2/8 『樋口一葉が通った「菊水湯」』 http://blog.goo.ne.jp/taichou-san2014/e/1e1d4f5764aa7a6b288ef3eb055218c1
第25回 2015/2/16 『湯島天神 梅まつり開催中』 http://blog.goo.ne.jp/taichou-san2014/e/4e6835f2e5f20a2188a889a5cf34d08a
第26回 2015/2/27 『湯島天神の石碑と像』(その1) http://blog.goo.ne.jp/taichou-san2014/e/46b1f46385179dc8f7c22b6473c7472a
第26回 2015/2/28 『湯島天神の石碑と像』(その2) http://blog.goo.ne.jp/taichou-san2014/e/b18ae25df3928b05088dadf7f5a38634
第27回 2015/3/8 『大塚車庫の記憶』 http://blog.goo.ne.jp/taichou-san2014/e/840451a360e78361837e88d939c9c58b
第28回 2015/3/12 『マーチエキュート神田万世橋』(その1) http://blog.goo.ne.jp/taichou-san2014/e/a35355d58863dda464f4bd2fb1aeeda6
第28回 2015/3/13 『マーチエキュート神田万世橋』(その2) http://blog.goo.ne.jp/taichou-san2014/e/1b9317befa800f7568c5bd93a1a4fa76
第29回 2015/3/22 『東大構内のハチ公像』 http://blog.goo.ne.jp/taichou-san2014/e/981f8c378891c9f0de4b2ef528f1fe29
番外編 2015/4/11 『奇妙な銀座の地下道』 http://blog.goo.ne.jp/taichou-san2014/e/9b4c4be6532c9d350228f17f5fc39ab8