隊長のブログ

元商社マン。趣味:ヒップホップダンス、ジャズダンス、日舞(新舞踊)、旅行、映画、スポーツ観戦。阪神タイガースのファン。

映画 Film209 『キューポラのある街』

2020年12月21日 | 映画

隊長が、これまでに鑑賞した「映画 」を紹介するシリーズの第209作品目は、『キューポラのある街』をお送りします。

 

 


『キューポラのある街』は、昭和37年(1962年)4月8日に公開された日本映画です。配給:日活。上映時間:99分。


原作は、小説家・児童文学作家 早船ちよ の同名小説。  


1985年に54歳で亡くなった、浦山桐郎(うらやま きりお)の第一回監督作品です。


脚本は、今村昌平と、浦山桐郎。


音楽:黛敏郎(まゆずみ としろう)。


主演は、吉永小百合。


尚、「隊長のブログ」では、吉永小百合さんが出演する作品を、これで八本を紹介したことになります。詳細は、こちらをご参照下さい


共演者:浜田光夫、東野英治郎、小沢昭一、吉行和子、殿山泰司、加藤武、北林谷栄、市川好郎(子役)、森坂秀樹(子役)、など。

 

あらすじ:鋳鉄溶解炉キューポラやこしき(甑炉)が林立する埼玉県川口市は、昔から鋳物職人の町です。石黒辰五郎(東野英治郎)も、職人気質一途にこしきを守って来た炭たきだ。辰五郎がつとめる工場の職工は、今年二十歳の塚本克己(浜田光夫)を除いて中老ばかり。それだけに大工場に買収されると辰五郎ほか三人の職工はクビになり、翌日から路頭に迷ってしまいました。


辰五郎の家は、妻トミ(杉山徳子)、長女ジュン(吉永小百合)、長男タカユキ(市川好郎)、次男テツハルの五人家族です。辰五郎がクビになった夜にトミは男児を産みましたが、ヤケ酒を飲み歩いていた辰五郎は病院へ顔を出さず、克己とジュンが介抱しました。


ジュンは根性ある少女で、運動神経や成績もよく、普通高校への進学を志していました。しかし辰五郎の退職の涙金も出ない石黒家は、次第に苦しくなっていきました。ちょっとした揉めごとで家を飛び出していたタカユキを、姉のジュンが迎えにくると、彼は喜んで家に帰りました。タカユキは心から姉を慕っていました。タカユキがチンピラたちにインネンをつけられた時は、ジュンは敢然とチンピラたちの本拠へのりこみ、タカユキを救い出しました。貧しくとも、この姉弟の心には輝かしい未来の灯があかあかと燃えていたのです。


なかなか職がみつからない辰五郎が、ある日酔いつぶれて帰って来ました。ポケットからは、オートレースの予想新聞と数枚の千円札。わずかな退職金はオートレースにつぎこまれてしまったのでした。そこへジュンの親友ノブコがやってきて、小さいながらも彼女の父が経営する会社で辰五郎の職がみつかったと知らせてくれました。父の就職が決まりジュンが息をついたのも束の間、新しい職場には新しい技術が溢れており、勘を否定する若い工員に我慢出来なかった辰五郎は、まだ半月しかたたないというのに「会社なんかいけるか!」と酒を飲み始めてしまい。。。。

 

感想:撮影時16歳、高校在学中の吉永小百合さんの映画初主演作品です。この映画で、当時最年少のブルー・リボン主演女優賞を受賞し、以後大スターへの道を躍進することにもなった記念すべき作品です。


ジュンが走るシーンが幾度となく登場します。走り方はださいけど、吉永小百合さん、足は速かったですね。強姦未遂シーンなど、体当たり演技を見せてくれます。


相手役の浜田光夫さんは、当時18歳。実年齢と役年齢が近い、フレッシュな二人が演じていて、新鮮な感動を与えてくれます。これ以降、二人は数々の作品で共演しています。


テーマも、貧困、進学、組合、差別、在日朝鮮人の帰還事業、など、当時のさまざまな社会問題を取り上げていて、まさに社会派青春映画の名作です。


公開当時、既にカラー映画も上映されていましたが、この作品はモノクロ映画(白黒映画)です。それが、また時代感を反映してくれていて、隊長は、肯定的に捉えています。


エンディング近く、普通高校進学を諦め、働きながら定時制高校に通うと決めたジュンが、職場見学に訪れたのが、実在した「日立製作所武蔵工場」。トランジスターの組立工程を見学するのですが、トランジスター組立女工と言えば、NHK朝ドラ 『ひよっこ』 で、主役の谷田部みね子(有村架純)の集団就職先でもありましたね。

 


最後になりますが、この映画が公開されてから58年が経ちました。浦山桐郎さん以外にも、多くのスタッフ・キャストが、既に鬼籍に入られています;


早船ちよ、今村昌平、黛敏郎、東野英治郎、小沢昭一、殿山泰司、加藤武、北林谷栄、市川好郎、ほか (敬称略)。


亡くなられた方々のご冥福をお祈りいたします。

 

 


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Film1~195  省略

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