映画 Film254 『おとうと』

隊長が、これまでに鑑賞した「映画」を紹介するシリーズの第254作品目は、『おとうと』をお送りします。

 

 

『おとうと』は、平成22年（2010）1月30日に公開された日本映画です。配給は、松竹。上映時間：126分。

原作：小説家・幸田文（こうだ あや）の、「婦人公論」 昭和31年（1956）1月号から、同32年9月号に掲載された、同名の小説。

監督は、山田洋次。

脚本：山田洋次、平松恵美子。

尚、「隊長のブログ」では、山田洋二さんの作品を、これで16本を紹介したことになります。詳細は、こちらをご参照下さい 。

主演は、吉永小百合 と、笑福亭鶴瓶。

ブログで取り上げた、吉永小百合さんが出演する作品・番組の記事一覧は、こちらです  。

共演者：蒼井優、加瀬亮、小林稔侍、加藤治子、笹野高史、森本レオ、小日向文世、石田ゆり子、ほか。

 

音楽は、冨田勲。

 

あらすじ：東京の郊外で、夫亡きあと薬剤師として、小さな薬局を営み、一人娘の小春（蒼井優）を育ててきた姉・吟子（吉永小百合）。大阪で何ひとつ成し遂げないまま歳を重ねてしまったのが、弟・鉄郎（笑福亭鶴瓶）です。

音信不通だった鉄郎が突然、小春の結婚式に現れます。以前も吟子の夫の十三回忌で、酔っ払い大暴れした鉄郎。今日は一滴も飲まないと約束しますが、酒を目の前にした鉄郎は我慢できず、酔っ払って大騒ぎ、披露宴を台無しにしてしまいます。

激怒する身内の中、鉄郎をかばうのは吟子だけでしたが、後日、ある出来事がきっかけで、吟子は鉄郎に絶縁を言い渡してしまいます。肩を落として出ていく鉄郎の背中に不吉な予感を覚える吟子でしたが。。。

 

感想：現在91歳の山田洋次監督が、78歳の時の作品です。2000年公開の『十五才 学校IV』以降は、『たそがれ清兵衛』  、『隠し剣 鬼の爪』 、『武士の一分』 と、三本の 「時代劇」  と、戦前が題材の2008年公開『母べえ』を撮ったあと、10年ぶりの現代劇となります。

また、山田洋次監督が生涯追及している “家族の姿” がテーマとなっている映画です。さらに、尊敬する市川崑監督の『おとうと』にオマージュをささげた作品でもあります。

高齢化社会において、避けて通れない「ホスピス」に、焦点を当てた構成も、さすが山田洋次監督だと思いました。

小百合さんは、山田監督作品の中で、「男はつらいよシリーズ」の 『男はつらいよ 柴又慕情』  と、『男はつらいよ 寅次郎恋やつれ』 　の二本で、マドンナ役を務めただけでなく、『母べえ』と、2015年公開 『母と暮せば』  でも、小百合さんが主人公を演じていて、切っても切れない信頼関係で結ばれているのでしょうね。

さらに、今年9月1日公開予定、山田洋次監督 91歳にして90本目の監督作となる 『こんにちは、母さん』でも、吉永さんが 大泉洋さん  と共に、主演することが決まっています。

『おとうと』では、監督及び  “山田組”（スタッフ）の思いを受け止め、吉永小百合さん、笑福亭鶴瓶さんを始めとする出演者たちが、好演しています。

本作品で、「第34回日本アカデミー賞優秀主演女優賞」の小百合さんは、言わずもがなですが、同賞優秀主演男優賞に輝いた鶴瓶さんの演技にも、拍手を送りたいと思います。

鶴瓶さん、ただ単なる風来坊の役では、評価されなかったでしょうが、終末期患者としての達観した演技や、家族への思いが籠った演技には、感動しました。

 

最後になりますが、この映画が公開されてから13年が経ちました。既に鬼籍に入られたスタッフ・出演者がいます；

冨田勲、加藤治子、佐藤蛾次郎、横山あきお、など（敬称略)。

亡くなられた方々のご冥福をお祈りいたします。

 

 

==「映画」バックナンバー =
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Film1～240  省略

Film241 2022/1/26 『クライ・マッチョ』 https://blog.goo.ne.jp/taichou-san2014/e/757274df8156bdb9256e9800898eb5bf

Film242 2022/2/17 『ウエスト・サイド・ストーリー』 https://blog.goo.ne.jp/taichou-san2014/e/0ba5d415d0a79d47bb2cc6e5651f9d92

Film243 2022/3/9  『JSA』 https://blog.goo.ne.jp/taichou-san2014/e/1df8ea4ff792addc6af7c2ea3811435d

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