夕凪 / 風
ふと言葉がとぎれたとき
こがね虫が飛び込む
夏 夕暮れ
風が止まる瞬(ひととき)の間に
うすけむり たなびけば ・・・・・
君のそばは 君のそばは
うすむらさきの芳り
月夜に蔭れているのは
めくる明日の幸せ
夕顔の 花
君の笑顔 透(すきとお)る白さを
藤越しにくらべては ・・・・・
君のそばは 君のそばは
うすむらさきの芳り
作詞 作曲 / 伊勢正三
1978
■ 昭和譜心 ■
夏の日
瀬戸内の海に
夕日が沈む時分、海風と
陸風が交代する和ぎの片時がある
海で働いていた頃、その風景はごく有りふれた
水面が鏡面と化す夕凪でしかなかった
しかし今、凪いだ海を眺めると
安穏無事である日々に
感謝せざるを
えない
第五大成丸