大らかな自然に育まれた 「おふくろナチュラル料理」 何も語る必要はないが ・・・
郷土には郷土料理が、田舎には田舎料理が、家庭には家庭料理がある。海辺の
漁村には新鮮な漁師料理があり、北の一部山村にはマタギ料理と呼ばれるような
独自の料理も存在する。元々、その土地で採れた食材をその土地の人が料理し、
その土地の人が食べるのが常套だった日本の 「食」 が、流通や商品の管理技術
などの発達に伴い、「いつでも・どこでも・何でも」 が可能になったことで、都市部に
流通して消費されるようになった。果たして、それは “消費満足” 以外に何か尊い
ものを生むのだろうか。
「地産地消」 や 「スローフード」 という言葉を使うのは口幅ったい気もしますが、
日本本来の「食」 のあるべき姿を再確認すべき時期にきているのかもしれません。
中国の餃子問題しかり、産地・ブランド偽装、賞味期限改ざん、食べ残し?の
使い回しに至るまで ・・・ 今日、頻繁に 「食」 に纏わる不祥事が起こっており、
そのたびに、消費者は右往左往。ここまでくると、やはり 「安心・安全・信頼」 と
いったキーワードに皆の関心が集まります。買い手は一気に国産の安心品を求め、
売り手は安全を連呼する。不安ながらも安い輸入品を買っていた自分たちの判断
を棚に上げ、こことぞばかりに問題を起こした会社や政府の対応を批判・攻撃する。
老舗の店に対する信頼関係が崩壊しても、時間が経過すれば、性懲りもなく、
また新たな敷居を ・・・ 同じことの繰り返しです。
地方の 「食」 が歪んでいる気がします。いや、日本全体の 「食」 がビジネスの
道具でしかなくなっているのかもしれません。このまま進めば、地方の豊かな食材
たちが結果的にその地方の環境や文化を崩壊させてしまうかもしれません。
それは経済的な面だけでなく、人々が豊かな気持ちを持てなくなってしまう可能性
もあるということです。目先の儲けを考えて、郷土や地方の宝(食材)を高値が付く
都会へと流通させている生産者や業者があることは事実です。確かに、それぞれに
生活があり仕方ない部分はありますが、結果として、地元にはほとんど並ばず、
ましてや、地元庶民の口には入らず、子供たちに地元の食文化を伝えることが
難しくなっている現状もあります。これでは地元に愛着や誇りが持てるはずが
ありません。このままでは、地方の 「食文化」 は必ず衰退し崩壊します。
都会で 「食」 に関わる仕事をしている自分としてはやりきれない部分もあります。
一部の金持ちや企業だけが潤うような図式で 「食」 の流通を行なってしまっては
いけないのではないかと。特に、地方の貴重・希少な自然資源は、守りながら
分け合わなければならないと真剣に感じます。今後の地方のあり方を含め、
難しいですが、日本なりに新たな 「生産・流通・消費」 の仕組みや 「食の活性化
(アイデア)」 が求められるのではないでしょうか。
地元(実家)の前獲り(兵庫家島産)と田舎(徳島阿南産)から送ってもらった魚介
類です。アワビとサザエは地元(家島産)と田舎(徳島産)両方ありましたので
食べ比べました。共に甘みがあり同じくらい旨かったのですが、ハッキリと磯(礒香)
に違いがあることがわかります。地方の食材(特に海の物)を口にする時、
この違いを感じながら食べてほしいのです。個人(仕事)的にはそれが伝われば
と考えています。
たまたま、高級食材のアワビやサザエが中心になっていますが、写真左上の
「シッタカ」 は、私の田舎では “いそもん” と呼ばれている巻貝で、塩茹でして
食べるのが一番です。礒の香りをストレートに味わえる秀品の海の幸です。
これも昔は売るような(売れるような)食材ではなかったものです。それが今では、
料亭や割烹でも提供されています。鮪の頭(兜)などもそうですが、昔なら捨てて
いた部位までもが高級素材や珍味として売られている(売れる)時代です。
“グルメ” という名のもとに? ・・・ 。
今回、写真にはありませんが、メバルに煮付けや干物などもあったのですが、
一番のヒットは写真左中の 「蛸(タコ)」 でした。田舎(徳島阿南産)から送って
もらった 「真ダコ」 ですが、塩茹でをして薄めのブツ切りにして、酢多目の酢味噌
で戴きます(酢味噌はおふくろの味です)。甘みと旨味が最高でした。残念だった
のは、この時期必ず用意してくれている、地元で獲れる 「蝦蛄海老(シャコエビ)」
が無かったことです。いつもオヤジが魚市場へ買いに行ってくれるのですが、今回
手に入らなかったようです。漁獲量も減っているのは確かですが、それこそ、今の
“シャコ” は高級食材です(私が子供の頃は、漁師さんがタダでくれていました)。
高い値が付き、地元では一部の高級料理店、そして、大阪あたりの料亭や割烹に
流通しています。たぶん ・・・
やはり、これからの 「食」 を地方地方で考える必要があると感じます。
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