和色ムーブメント

シニアになって、今一度「ムーブメント」を感じる旅に出てみようか

それぞれの目線、本当の視点

2008年11月02日 | 二升五合


先日、
今後の仕事の件で、前籍の会社で情報交換をさせて頂きました。





約30年、
私がそれなりに浸かっていた飲食業(外食事業)と酒販業との接点は、もちろん、
「酒類」 なのですが、その酒類自体に対する捉え方や売り方(売れ方)の認識に
若干のズレがあるということを現場で長年感じつつも、双方の目線をお互いが
理解協力することで、必ずメリットが生まれるという持論を持っておりました。

要は、
お互いがお互いのビジネス目線だけでなく、エンドユーザーのサティスファクション
に対する本質の違いを相互理解して協力することが重要だということです。生産者
の思いやその苦労も含め、流通や最終末端の店舗(小売店・飲食店)が新商品の
開発や提案と価格競争(スケールメリットや流通コストの削減等)だけで品定めを
して、業者や消費者を選定してしまうような状態になれば、業界全体が委縮傾向に
陥ります。そういう状態だけは避けたいものです。

その為に
何が必要か ・・・ やはり、販売実績より顧客満足度がどこにあるかという視点からの
模索であり、広がりであると考えます。要は、多くの人と時間を費やしている販売前
アプローチより販売後のアフターケアに投資すべきではないかと私は考えます。
実際、近い話で言えば、飲食店の接客サービスにおいても、商品が売れるまでは
ニコやかな笑顔で商品の説明もして努力しているお店(スタッフ)は多いのですが、
いざ売れてしまえば、それを境に笑顔も口数も減少してしまうという現実的で残念な
お店(スタッフ)がたくさんあることも事実です。

もちろん、
こういう傾向は飲食店だけではありません。物販店(特に単価の低い商品を扱う店)
の多くで見受けられます。一方、高級品を扱うお店や老舗ブランドでは、当たり前
ではあるのですが、アフターケアの充実は不可欠ですので、大きくスリム化すること
はできません。ただ、その “当たり前” に、お客様も含め、どこでも勘違いが起こる
わけです。高級品(老舗ブランド)だから ・・・ 安い商品(ノンブランド)だから ・・・ と。

某車ディーラーでは、
ショールームに入らしたお客様がお帰りになる際、お客様のクルマが見えなくなる
まで頭を下げて見送っています(最近はどのディーラーも真似しています)。本当に
必要でしょうか(必要だと思っているのでしょうか)?その見送る時間があるのなら、
なぜ、誰でもできるタイヤの目視チェックの一つもしないのか?形だけのサービスを
いつまで続けるのか?私なら、本当にお客様の為に何ができるのかを考えて提案
してみたいと思うのですが ・・・ 。

ビジネスチャンス
という言葉があるとすれば、今後、いつまでも無理なシステムで効率化を図ったり、
無意味な形だけの繕い(サービス?)を行なうより、“お客様のために” にちゃんと
視点(ポイント)を置き、小さく素早く動ける環境要素(お店やスタッフ動作)をたくさん
作ることが得策だと考えます。ただし、今までのような形だけのアフターケアでは、
コストの無駄は生んでも、本当の意味でお客様の安心感(信頼)には繋がりません。
実際、これまでは 「ありがとうございます」 という言葉で何となく優越感を満たし、
「無償で修理します」 という文言を付けることで安心感を感じさせていました。

しかし、
この時代に、上辺の笑顔で優越感を得たり、高額商品が故障するかもしれない
という不安を未だに抱きながら購入しなければならないのか ・・・ そんな言葉や補償
は当たり前ではないのか、と賢い消費者は気づくはず。そう考えると、売り手側も
そろそろ気づくべきです。いつまでも商品のメーカーレベルでの保障や補償に頼って
いても、大きな問題が起これば、今はメーカーだけの問題では済まない時代です。
直の代理店でなくても、同様の商品を扱っていれば、風評被害も起こり大きな打撃を
受けるケースも多々あります。自己責任の時代です。言いかえれば、自己アピール
の時代です。

やはり、
“商品(物品)を売る” のと同等以上に、“自社の考え方や姿勢を売る” ということを
真剣に進めておかなければなりません。あの阪神淡路大震災の時、多くの住宅が
倒壊する中で、あるメーカーが建てた住宅だけは耐震補強がされており、倒壊が
ほとんどなくダメージも小さかったので、そのあと、そのメーカーの安心感(信頼)が
高まったという話は有名です。時計や家電レベルなら “壊れたり故障したら 「無償で
修理します」” でいいかもしれませんが、それが家や車だったらどうでしょう ・・・ ?

「無償で修理します」
と、家が倒壊したり車で大事故が起きた後にいくら言われても嬉しくはありません。
ここにちゃんと視点を置いて、自身の在籍している環境では、商品の良し悪し以外に
何をセールスポイントにするのか(できるのか)、お客様のために何ができるのかを
素直に謳うべきではないでしょうか。結局、それをお客様に届けようとすれば、まず、
従業員(スタッフ)がそれを理解して(自分の考えとして)自信を持ってアピールできる
状態にならなければなりません。そこに環境の強さと独自ブランドへの取り組みが
芽生えるような気がします。そして、そうした環境には支持者(ファン)が必ず付くもの
ですよね。

さあ、オリジナルブランドでファンを増やしてみましょう!!


一応、
9月からフリー(脱サラリーマン)になっていますので、今まで語れなかった業界の
話(時には具体的な屋号も挙げて)を少ししてみようかと考えています。できる限り、
上から目線の評論は避けますが、飲食業界で働いている方々に少しでも参考に
なったり、現場での議論のネタになるような内容(問題定義?)を入れていこうと
考えています。



最新の画像もっと見る

コメントを投稿