北海道は浦河町の海である。
数年前に浦河町を訪れたとき、泊まるつもりをしていた宿が満室だったため、海岸近くに建つ、うら寂しいビジネスホテルに泊まった。
部屋はベッドに占領された狭い部屋で、浴室も小さくてお湯をためる気になるようものではなく、なんとかシャワーを浴びるスペースはあるといった程度の、典型的な安ホテルだった。
それでも窓からは海が見えて、夜になると遠くに漁り火も光り、その点、旅の情緒だけはたっぷりあった。
宿の近くを歩いてみると銭湯があり、大きなスーパーもあったので、その魚売り場で地元の魚を刺身にしてもらい、それとビールを買ったあと、銭湯へ行った。
客は自分のほかには地元の漁師が2,3人いただけで、今日の漁はどうだった、とかいうような会話を聞きながらのんびり湯につかったあと、ホテルのベッドの上で漁り火を眺めながらビールを飲み、刺身を食べた。
妻は今もこのときの旅が楽しかったといい、いつも北海道に行くときは、またあのときのような旅がしたい、という。
そのホテルの前で撮ったこの海は、なかなか旅心を誘う思い出の風景だ。
この季節になると思いだす海である。
(この写真、こちらにも)
漁火を見ながら、地元で取れた魚の刺身、そしてビール。さぞ美味しかったのではないでしょうか・・・。
ご夫婦とも旅が好きで、
価値観や思い出を共有できて、羨ましい限りです。
思い出の写真は「人生の宝物」だと思います。
しかし「宝物」が増えるのはいいのですが二人して遊んでいては今後の生活が苦しくなりそうです(笑)。