生身の人間よりも人形を愛する傾向を心理学の用語で「ピグマリオン・コンプレックス」という。
昔々、菅谷次郎という武士が、新吉原の白梅という遊女と深い関係になった。
一日中も離れたくな次郎は竹田山本という細工人に頼んで、白梅そっくりの人形を作らせた。
その人形は、腹中にお湯を入れ人肌にして抱けて寝ることもできるという凝ったものでした。
あるとき次郎は人形に話しかけた「いかに白梅、そなたは可愛いのう」すると人形は口を動かし答えた。
不気味になった次郎は、枕元に脇差を抜いて寝た。
また人形が話したので、不気味に思い脇差で人形を切った。
ところが、ちょうど人形を切った同日同時刻に延亭巳年七月十日の八ッ時に江戸にいた白梅も、初会客に胸を刺され死亡した。
そんな話が残っている。
昔々、菅谷次郎という武士が、新吉原の白梅という遊女と深い関係になった。
一日中も離れたくな次郎は竹田山本という細工人に頼んで、白梅そっくりの人形を作らせた。
その人形は、腹中にお湯を入れ人肌にして抱けて寝ることもできるという凝ったものでした。
あるとき次郎は人形に話しかけた「いかに白梅、そなたは可愛いのう」すると人形は口を動かし答えた。
不気味になった次郎は、枕元に脇差を抜いて寝た。
また人形が話したので、不気味に思い脇差で人形を切った。
ところが、ちょうど人形を切った同日同時刻に延亭巳年七月十日の八ッ時に江戸にいた白梅も、初会客に胸を刺され死亡した。
そんな話が残っている。