(↑2023年2月17日「HANA・BIYORI」にて撮影 ※記事内容には関係ありません。)
今回は、2023年1月25日付東京新聞夕刊の「論壇◆時評」欄に掲載された東京工業大学教授の中島 岳志(たけし)氏のコラム「『専守防衛』捨てた岸田外交 米への依存と追随 いつまで」を紹介します。我が家は朝刊しかとっていませんが、学習仲間が紹介してくれた記事です。
くだんのサイトで読めますが、ここにも貼りつけます:
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「専守防衛」捨てた岸田外交 米への依存と追随 いつまで
中島 岳志(なかじまたけし 東京工業大教授)
岸田文雄首相がアメリカを訪問し、バイデン大統領と会談を行った。ここで防衛費を北大西洋条約機構(NATO)加盟諸国並みの国内総生産(GDP)比2%に大幅増額する方針を伝え、アメリカ側から歓迎された。
この方針は昨年5月のバイデン大統領の訪日時に、日米間ですでに確認済みだったとされる。しかし、秋の臨時国会では議論がなされず、臨時国会終了後に唐突に発表された。その後、急いで閣議決定を行い、通常国会が始まる前の訪米でバイデン大統領に伝えられた。
戦後日本の防衛体制を大きく変更する重要事項が国会審議なしに決定され、アメリカに伝達される。日本国民よりもアメリカに仕えているかのような岸田首相の振る舞いに、批判が上がっている。なぜそのようなことが、まかり通るのか。
政治学者の白井聡は「安倍晋三の腹話術人形による独裁 戦後日本の堕落の総決算が迫ってきた」(1月17日、日刊ゲンダイDIGITAL)の中で、
「問題となっている防衛費の倍増、防衛3文書の改定」の本質を、「アメリカの意思、それだけだ」と喝破している。
白井が注目するのは、この国における「国体」の存在である。戦前の日本は天皇統治を正当化する「国体」が支配し、戦後になって解放されたと考えられてきた。しかし、白井は著書『国体論−菊と星条旗』(2018年、集英社新書)の中で、国体は戦後に連続しているという。
「戦後の国体」とは何か? それは「菊と星条旗の結合」、つまり天皇とアメリカが結びついたものである。アメリカは天皇制から軍国主義を除去し、象徴天皇制に置き換えることで「平和と民主主義」を注入した。これによって、戦後の天皇制は対米追随構造の一部となり、国民に浸透していった。日本の政治家たちは、アメリカを天皇のように慈悲深い存在として演出し、従順な姿を見せることで、安心感を与えてきた。
しかし、この路線は日本国民を守ることにつながるのか。
白井の見方は厳しい。「日本人が天皇と仰ぐアメリカと中国との覇権争いにおいて、米の覇権を守るために焼け野原になる」ことを覚悟しなければならないという。
現在、アメリカと中国が覇権争いを繰り広げている。アメリカは、この状況下で日本をどう戦略的に利用するかを考えている。岸田首相は防衛費大幅増と共に、敵基地攻撃能力の配備を打ち出した。これによって、日本はアメリカから巡航ミサイル「トマホーク」などを購入することになる。これはアメリカの軍事オペレーションの選択肢を広げる。
白井は、ウクライナ戦争が一つのモデルを与えているという。アメリカは自らの犠牲を最小限に抑えながら、ロシアの力を大きく削(そ)ぐことに成功しつつある。これはまさに「自軍から犠牲者を出すことなく、従属国に血を流させて敵対的な大国を弱体化させる戦略」である。これを東アジアに応用し、中国に対する覇権争いを展開しようというのがアメリカのもくろみだと、白井は見る。
こうなると、日本は「大軍拡=米軍産複合体への献納のための増税」と「アメリカの覇権を持続させるための戦争への血による貢献」を引き受けなければならない。戦前の日本人が天皇のために命を捨てたように、「天皇陛下ならぬアメリカ陛下のために命を捨て」、そこに義務と喜びを見いだすことになるのかと、白井は問いかける。
今回の岸田外交は、専守防衛というあり方をかなぐり捨てるという点で戦後体制の大転換のようにみえるが、アメリカへの依存と追随を加速させるという点で、戦後体制の強化にほかならない。アメリカの軍事作戦に対して、それを拒否するよりどころが「専守防衛」というテーゼだったが、これを手放すということは、日本の主権の一部を事実上手放すということにつながる。
アメリカという戦後の「国体」を、日本はいつまで抱きしめるのか。いつまで上目遣いを続けるのか。
日本のあり方そのものが問われている。
(なかじま・たけし=東京工業大教授)
(※段落のブロック分けと文章中の太字化はブログ管理人によります。)
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岸田内閣の安全保障政策の大転換を、中国や北朝鮮を隣国に持つ日本の国防策として致し方ないと考える国民が少なくないようですが、白井氏の意見を引用したこの中島氏の文章を読んでもなお、そう考えるでしょうか? アメリカの対ウクライナ政策を見てもなお、日本はアメリカの核の傘に守られている、日本の有事にはアメリカが日本を守ってくれると思いますか?
戦後ずっとそうだったように、アメリカは今でもなお、そしてこれからも、日本を盾として利用することしか考えていないと私は思います。専守防衛を止めてしまえば、アメリカの有事に我が国の軍事費と軍隊、つまり国民の血税と国民自身の命を差し出すことになるのです。日本を利用することしか考えていないアメリカのために、みなさんの税金のみならず、みなさん自身やみなさんの子孫の命を差し出すことになるのです。あなたはそれを許せますか? 岸田内閣を支持し続ける限り、日本はその方向にまっしぐらですよ。
来たる衆議院議員選挙では、みなさんの清き一票でぜひ意思を表明しましょう。国民一人一人が意思を示すことでしかこの国を守ることはできないと私は思います。
最後までお読みくださり、ありがとうございますm(__)mぴ2コラム
中島という名字は長野県に多い? そーなんですね。読み方はやはり「なかじま」が多いのでしょうね。ときに「なかしま」もいますよね。
>ってこの記事よんでここに反応かよって感じですけどf(^^;
はい、最初そう思いました(^^; ...な~んちゃって、冗談です。どんな内容でもウェルカム、嬉しいです(^^)v
>専守防衛もダメでしょうね。(略)
おっしゃることはよくわかります。悩ましいですよね。そう言われてしまうと、では具体的にどこでどう線引きしたらよいのか、私も悩んでしまいます(^^ゞ
中島という名字は長野県の多いんですよ、
ってこの記事よんでここに反応かよって感じですけど
f(^^;
※
専守防衛もダメでしょうね。
気球がやって来ても攻撃しなけりゃ撃ち落とせない。
結果、盗撮やり放題。
しかも致命的な物を落とされたら…