えつこのマンマダイアリー

♪東京の田舎でのスローライフ...病気とも仲良く...ありのままに、ユーモラスに......♪

新春の芸術鑑賞巡り 

2014年01月11日 | アート

 

 かねてよりぜひ∞見てみたかった憧れのアート世界を、同日に2つ観る機会に恵まれました。1つは依田 満・百合子夫妻万華鏡の世界、もう1つは草乃しずかさんの日本刺繍の世界です。
 前者は、「万華鏡 光りが紡ぐ華模様 ―ブリュースターからの贈り物―」という、万華鏡作家5組による合同展の形で、「東京国際フォーラム」「フォーラム・アート・ショップ」内で開かれていました(現在は終了しました)。後者は、「草乃しずかの世界展 一針に祈りをこめて40年」として、松屋 銀座で展示会が開かれています(2014年1月20日(月)まで)。

 

煌めく万華鏡の世界

 みなさまは万華鏡を作ったことがありますか? 私は小学4年生の理科の授業で作りました。初めて覗く煌めく世界、光が紡ぐ一期一会の連続絵巻?走馬灯?にときめいたその日以来、万華鏡は出会いの度に私を虜にしてきました。
 元々はスコットランドで生まれ、西洋で発展したものですが、日本でも立派な現代作家が活躍しているようで、依田夫妻もその一例です。彼らによって、「これが万華鏡?!」というような芸術作品が次々生み出されているのです。
 ただ、それらの作品は贅沢な嗜好品が多く、私にはなかなか手が出せず...せめてパソコン上で楽しもうと、自己流で「万華鏡シリーズ」を始めたのが3年前のこと。そして、そのシリーズをまとめたのがこのアルバムです。
 イギリスを旅行中に出会ったテレイドスコープ(風景を写し込む万華鏡)を見て以来、それもほしくて...「ほしいけど、高い(^_^; でもほしい!」とかガタガタ言っていたら、夫が作ってくれたのがこちらです(500円のキットを組み立てたもの(^_^; 筒の先に魚眼ビー玉?がはめられています)。  

 そんな変遷を辿っていたあるとき、とある場所で、依田夫妻の2つの作品に巡り会いました。すっかり魅せられてしまい、HPを探して連絡をとり、展示会の案内状をいただいたのですが、なかなか足を運ぶ機会に恵まれず...。でも、遂に今回念願が叶ったというわけです(*^▽^*)v

 会場や作品の画像がないので、代わりに「東京国際フォーラム」の画像を...東京の田舎者なので、訪れるのは初めてでした。

     
  「ホール棟」と「ガラス棟」の間のオープンスペース。展示会の会場は、B棟のギフトショップ(トップ画像)内でした。

                 
        「ガラス棟」の地下1階にある「ロビーギャラリー」。吹き抜けの高さはは60mだそうです。

 依田夫妻の作品は、大きさ・スタイル・素材ともに多岐に渡っていて、他の作家さんのものと併せ、無限に変化しながら繰り出される幻想の世界を堪能しました。

 実は、依田百合子さんとは何度かメールや手紙のやりとりまでしていたので、いつかお目にかかりたいと願ってきました。私が一通り作品を見終えた頃、偶然依田さんが来場され、初めての邂逅まで叶ったのです(*^▽^*)v 落ち着いた、理知的な佇まいの素敵な方で、すっかり感じ入りました。
 作品を解説していただきました。毎年国際コンペティションに出す大作は、作品自体に壮大なストーリーがあるだけではなく、テーマのつながりがあるようです。夫妻の中では毎年テーマがつながれ、夢が膨らみ、華が開いているのですね。また、同じ名称の作品でも2つとして同じものはできない、とおっしゃっていました。 

       
 すりガラスの筒でできた「Sand Brastシリーズ」(トップページから入ってください)の「月と蓮」を求めてしまいました(^_^; 同じ名称のがもう1つありましたが、覗いたら雰囲気が違いました。やはり唯一無二なのですね。
 うまく写せないのが残念ですが、筒が色つきのすりガラスなので、それも投影されるのです。中は私の大好きな淡い青や浅葱色の世界で、もう恍惚となってしまいます(#^.^#)  緑色系が蓮の葉を、時折現われるピンク色が蓮の花をイメージしているのかな...。淡く、優しい雰囲気のこのシリーズに、作家の佇まいが一番表われていると私は感じています。

 依田さん、素敵な作品と巡り会わせてくださり、本当にありがとうございますm(__)m 太陽の光の下で、電灯の光の下で、昼夜を問わずくるくる回し、歓声を上げたり感嘆のため息をついたりして、飽きることなく至福のときを過ごしております

 

凛とした日本刺繍の世界

 国際フォーラムから足を伸ばし、次の展示会場 「草乃しずかの世界展 一針に祈りをこめて40年」へと向かいました。

 草乃さんの日本刺繍との出会いは、10年前に書店でふと手にした『刺繍通信』という雑誌です。「源氏物語五拾四帖」シリーズが特集されていたのです。日本刺繍の糸が紡ぎ出す自然の風合いと艶、草乃さんの作り出す和の美の華やかさと侘び・寂びの融合世界にすっかり魅せられてしまい、いつか実物を見たいとずっと思ってきました。それがようやく叶ったのです(*^_^*)

        

 展示会に当たっての草乃さんのメッセージがくだんのサイトで見られますが、期間を過ぎるとリンクが切れてしまうと思うので、ここに貼りつけます。

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日本刺繍を始めてから40年になります。
振り返ってみますと、家族と共に生きながら私自身を見つめるための刺繍でもありました。
「夢刺繍展」「文学浪漫刺繍展」「桜浪漫展」「源氏物語展」「雪月花展」と展覧会をして参りましたが、
私にとっては人生を見つめるために必要な創作活動だったのです。
私もあの東日本大震災に、今までの価値観や人生観が変わるような激しいショックを受けました。
今までに経験したことのない深い悲しみと不安の中で、どうしたら良いのかと悩み続ける日々。
けれど、ずっと続けてきた刺繍によって私は救われたのです。
悲しみや喜びの思いを込めてきた一針一針の刺繍が、いつしか祈りの行為ともなっていたのです。
創作してきた40年は、今日この時のためにあったのでは、と気付いたのです。
“一針に祈りをこめて40年”として開催する本展では、これまでの代表作、
祈りをテーマとした新作、草乃しずかの着物がたり~おしゃれな12ヶ月のコーディネート~まで、
約175点を一堂に展覧致します。刺繍を通して様々な思いを皆様と共有できますことを願っております。
心よりご来場をお待ちしております。

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 いやはや、実物の見事さは想像を超えるものでした。
 「刺繍には心が表われる」と草乃さんは言っていますが、彼女の作品には、日本人としての凛とした誇り・品のある気高さ・奥ゆかしい芯の強さ・秘められた艶やかさ・静かな情熱...そういうものが感じられました。彼女の人となり、心の表われだと思います。例えば、青い撫子や緑色のポインセチア。極細の三日月の浮かぶ漆黒の空を背景に、月の光に静かに輝く銀色の桜。そして、クラゲの浮遊する藍色の海の着物地に、グラデーションで白く染め残すことで表現された月の光...。直截的な表現を避けたところに、まさしく草乃さんの心象風景を感じました。
 そして何より、日々の暮らしを最優先しながら、その折々の思いを一針一針に込めて刺してこられたことが、ひしひしと伝わってきました。

 上述のシリーズごとに分けられた展示は盛りだくさんで、どれもすばらしいのですが、とりわけ「桜日記」が強く印象に残りました。70年の人生を10年ごとに刻み、桜で表現した作品です。最愛の父上を亡くしたときの悲しみを針に込めたことがきっかけとなり、それまで美しく上手に表現することだけを考えていたのが、心を表現するようになったそうです。とても意外だったのが、70歳を表わした作品です。「八重に咲く心の年輪」が大輪の八重桜と3つの蕾で表現されていて、シリーズ中一番華やかで力強い作品なのです。その理由を、会場で流されている映像の中でこう説明していました。100歳になる母上の言葉―「人生独りで生きていかなくてはいけない。だからしっかりしなくては。でも、私がいるから...」―からもらった勇気・希望・優しさを表現したのだと。100歳になっても娘にそんな言葉がかけられるお母さまと、それを素直に、前向きに受け止める70歳のお嬢さん...素敵な親子の情愛が溢れ出るような作品でした。

 サイン会には間に合いませんでしたが、ご本人の姿を拝見することもでき、感激しました(*^▽^*)

 

 「永田哲也展 和菓紙 『松の内』」 (展示はすでに終了しています)

 その後、エスカレーターで下りたところで目に飛び込んできたのが、初めて見るとても珍しい和紙工芸です。くだんのサイトのリンクがそのうち切れると思うので、画像と解説の一部を貼りつけます。

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                       (いずれもリンク画像はありません)

現代美術の分野で活躍する作家、永田哲也。
日本の各地で実際に使用されてきた、年代や地域も異なる和菓子の木型を収集し、人生の節目の場面、冠婚葬祭など
様々な祝いの場面に関わってきた記憶のイメージを“再生”しています。
個々のモチーフに込められた、我々日本人に普遍的な自然や食文化に対するデザインを和紙に写し取り、
ギフトやインテリアアイテムとして展開することで、現代の生活空間のなかに蘇らせ、再度味わうことを目的として
生まれたアートです。

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 偶然とはいえ、ユニークなアートを観ることができました(#^.^#)

 

                               

 ついでに、東京の田舎者の私が滅多に行くことのない銀座2丁目の画像を...

    
 ブランド物に興味ない私には、無縁の世界です(^_^;

 改装中の伊東屋の仮店舗で、大好きな文房具を見て回った(買ったのはシールだけ(^_^;)後、風月堂本店で独りティータイム...


           
 ケーキセット(ホワイトチョココーティングのチーズケーキと、ローズヒップ&ベリーのハーブティー)をいただきました(*^▽^*)v 

 

 

                                 

 長年憧れていた耽美の世界2つに1日で出会うことができ、大好きな文房具やスウィーツも楽しんで、新年早々縁起がいいわいと、小さな幸せに感謝しつつ大満足で帰途に着きましたが...長くは続きませんでした(^_^;
 この明くる日、母から胃がんの再発を告げられ、来週入院&手術という事態になりました。まぁ、8年前と同様、初期がんを内視鏡手術で治療できるので、大事に至ることはないと思いますが、何せ86歳と高齢なのでかわいそうで...戦争で兄や姉を失い、広島で入市被爆しながらも生きながらえてきたのに...ねぇ...。
 年末にがん再発がわかっていたのに、松の内が明けるまで私たち家族には明かさなかった母...ここまですべて独りで処理し、年末年始を病気と向き合って過ごしてきた気丈な母...。この幸せな1日は、母の私への贈り物だったのですね......。

  というわけで、来週以降少しの間、ブログの更新が滞りがちになるかもしれませんが、心配ご無用です。とりあえずお知らせまで。

 


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6 コメント

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こんにちは。 (悦子)
2014-01-11 18:27:55
大阪の悦子です。早速のお返事有難うございます。
凄いブログですね。流石に上位になるはずですね。
万華鏡作ったことないですが、好きですね 何個か持ってます、横にガラス棒が刺さってる、十字になってるのは、夢のような景色で飽きずにクルクル回して見ています。
私のブログはチャチですが、 とんちクイズ付です)^o^(
答え惜しいです。「そり」では有りません。いい線いってますが・・ もしかして東京ではそう言うのでしょうか? もうチョッとお考え下さい。・・・
返信する
付き添い (クッキー)
2014-01-11 19:24:04
えつこさん、お知らせをありがとうございます。回復を心待ちにしております、えつこさんもお疲れになりませんように願っております。
(^_^)
返信する
悦子さんへ:やっぱり... (takuetsu@管理人)
2014-01-11 21:06:11
悦子さん、沢山のコメントをありがとうございますm(__)m コメント欄にお名前が沢山並びました、壮観!?(#^.^#)

そうですか、やっぱり万華鏡お好き...共通点が多い気がしたんですよねぇ。いろいろお持ちとは、羨ましいです。
十字になっているのは、オイル式ですよね。動きがゆっくり、滑らかで、また違う味わいでしょう。いいな。

クイズ、再挑戦してみました。今度は合ってるかな?
返信する
クッキーさんへ:ありがとうございます! (takuetsu@管理人)
2014-01-11 21:08:20
クッキーさん、早速温かいコメントをありがとうございますm(__)m
気丈夫の上、ふくよかで体力もある母ですから、たぶん大丈夫だと思っています。
むしろ、私の方が倒れないように気をつけないとと思っています。一番寒い時季ですし、手術の日は雪の予報ですしね。
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折り紙 (クッキー)
2014-01-11 22:15:02
折り紙しておりました、願い鶴ですね。鶴を折ることが大好きでした、ありがとうございます。ご無理なされませんように、お母様も願われている気がいたしました。風車のポチ袋は折れていますが、鶴付きのポチ袋も折れたらいいなと思っています。
^_^
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クッキーさんへ:お返事遅くなって... (takuetsu@管理人)
2014-01-13 14:53:11
クッキーさん、お返事遅くなってごめんなさい。

そうですか、このブログの記事をご覧くださり、あれこれ折り紙を続けていらっしゃるのですね。ありがとうございますm(__)m 嬉しい限りです。わかりにくい点はどうぞお知らせください。何らかの形で補足説明させていただきます。

今の大人世代は、折り紙の原点は鶴の場合が多いように思いますが、今の子ども達はそうでもないみたいで、残念です。
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