えつこのマンマダイアリー

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最近の新聞記事より ~「不信任が独裁を生むジレンマ」~

2016年07月15日 | 雑記

 先の参院選の結果は予想してはいたものの、事実を突きつけられるとやはり残念です。国政選挙の度に、一縷の望みを抱きながら同胞の国民を信じて投票所に向かうのですが、いつも同じ結果に…。
 そして、毎回不可思議なのは、私の周りの民意と選挙結果があまりにかけ離れていること…(^_^; 「類は友を呼ぶ」とはいいますが、ここでいう「私の周り」とは、その「友」の域を超えているのですよね。ですから、何かがおかしい…何がおかしいのだろう? その直感に駆られ、毎回あれこれ調べていて突き当たることは、心証に留まっていて確証には至らないのでここには書きませんが、自分の直感がやはり正しいのではないかという思いが毎回強くなっています。私の直感が正しいとすれば、今やかなり現実味を帯びた改憲のための国民投票の結果も………いや、いや、いや、そうは思いたくありません。思いたくないので、諦めず、今日も新聞記事より紹介します。因みに、3年前の参院選直後には、私はこんな記事を書いていました。

 閑話休題、この記事は、参院選当日の2016年7月10日付東京新聞朝刊の「時代を読む」欄に載った内山 節(たかし)氏のコラムです。全文を引用します。

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 「不信任が独裁を生むジレンマ」 内山 節(哲学者)

 現在の国家は、国民に信任されているのだろうかと思うときがある。政権を批判するというレベルを超えて、国家自体が信任する必要のないものになってきているのかもしれない

 たとえば欧州連合(EU)離脱をめぐる、英国の国民投票をみてみよう。一般的には、高学歴でグローバルな世界を知っている若い世代が残留を支持し、移民の流入などの目の前でおきていることに反応した人たちや高齢者が、離脱を支持したといわれている。確かに世論調査では、18歳から24歳の世代は7割以上が残留を支持し、逆に65歳以上では6割近くが離脱を支持していた。ところが投票率をみると24歳以下は3割台だったという調査結果もあり、65歳以上だと8割近くになっている。
 この数字をみていて疑問がでてくるのは、高学歴で全体的なことを見通すことができるとされている若い世代が、なぜ低投票率なのかということである。今回の国民投票では、どちらが勝つにせよ僅差であることはわかっていた。それなら状況を見通せる残留支持の若い世代が、もっと投票していてもよいはずである。だがそうではなかった。
 このような結果が出てくるのは、若い世代にとっては、国家がそれほど重要なものではなくなっているからではないだろうか。実際欧米のビジネスマンやIT技術者のようなエリート層は、国境を超えて仕事をしている。自分の所属する国がすべてではないのである。しかも資産をふやす過程では、パナマ文書からも垣間見られるように、タックスヘイブン(租税回避地)を使って、国境を超えた資産運用がなされたりする。要するに自分の活動の場にとっては、自国がどうなろうとも、そのことは絶対的な重要性をもたないのである。
 英国の国民投票は、中下層の大衆の反乱によって離脱が決まったと解説されているが、実際には、エリート層とそれに同調する人たちの反乱が起きているのではないだろうか。だがそれは、かつてのような社会全体の改革を求める反乱ではない国のあり方は自分にとっては重要ではないという「反乱」がすすみ、それに同調する人たちの裾野が広げられていく

 そういう動きが先進国では一般化してきている。米国の大統領選挙はニュースでみる限り盛り上がっているようにみえるが、最近の投票率は大統領選で50%台、国会議員の選挙だと40%前後である。
 だがそうなればなるほど、組織票をもっているところが選挙で勝ち、「民主的な制度の下での独裁」がすすんでいく。人々の意識のなかで国家の価値が低下し、信任する必要性のないものになっても国家は存在し、その政策によって私たちは影響を受ける。
 人々の意識が離れていくというかたちでおこっている国家の空洞化が、逆に独裁的な政府を成立させるのである。直視しなければいけないのは、現代世界にひろがっているこのジレンマなのではないだろうか

 おそらくこの問題の解決は、日常的に関われる世界に権限を移譲する以外にはないのだろう。地方分権、地域主権を徹底する道である。とともに、空洞化し、独裁化していく国家と向き合う作法を、私たち自身も確立しなければならなくなっている


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 (※段落のブロック化と太字化はブログ管理人によります。)

 

 う~ん…とても含蓄のある、鋭い考察ですね。「空洞化し、独裁化していく国家と向き合う作法」を、自分の立ち位置でどうやったら確立できるでしょうか…。やはり当面私は、改憲を何としても阻止する活動をしていくしかないかしらん…身近な同志とともに…。
 そして、私の愚かな直感より、氏の冷静で客観的な考察が的を射ていることを願わずにはいられません……。

 


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