えつこのマンマダイアリー

♪東京の田舎でのスローライフ...病気とも仲良く...ありのままに、ユーモラスに......♪

第1章 ある日突然… 10.

2007年03月27日 | 乳がん闘病記
10.
 超音波室から出て外科の受付の前を通ったとき、ふと分厚い本に目がとまった。『医者がすすめる全国の専門病院』。早速ページを繰ってみると、この病院も載っているので、ひとまずほっとする。
 乳腺外科の医師が3名、年間の手術実績は、2002年で28例とある。この数字が多いのか少ないのかわからないので、他の病院と比べてみる。国立がんセンターのような巨大専門病院では3桁の数字だ。それと比べると、28例は随分少ないような気がする。
 果たしてこの病院で治療を受けて大丈夫なのだろうか??? 新たに生まれた不安の渦を抱えながら、外科を出た。

 病院を出る前に家に電話を入れた。その日は、K大学の合否がわかる直前に息子が背水の陣で受けていた公立大学の、合格発表の日でもあったからだ。自分の不安を払拭してくれる良い知らせを聞きたかった。合格の知らせを耳にし、束の間の喜びに浸った。私立と公立に一矢ずつ報いることができたところを見ると、K大学に受かったのはあながち奇跡やまぐれではなかったのかもしれない。息子にあやかって、自分の検査結果も良好であることを祈りつつ、外へ出た。

 この年は杉花粉が多く飛ぶという予報で、それに違わず実際にも多いようだった。その日は晴天で、病院の外に出て空を仰ぐと、見るからに花粉が飛んでいそうな空の色だった。19歳からという年季の入った花粉症の私には、恨めしいような空の色…そして、限りなく不安な私の気持ちとは裏腹のような空の色だった。

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