えつこのマンマダイアリー

♪東京の田舎でのスローライフ...病気とも仲良く...ありのままに、ユーモラスに......♪

第1章 ある日突然… 11.

2007年03月28日 | 乳がん闘病記
11.
 近くのレストラン街で洋食屋に入った。心配で食事も咽喉を通らない…かと思いきや、ランチプレートを全部たいらげた。―私は落ち着いている…大丈夫、私はこのとおり、落ち着いている…― そう思いたかったのかもしれない。

 ゆっくり時間をかけたつもりだったが、食事が終わってもまだまだ時間がある。待ち時間のために持参した本を広げてみるが、目が活字を追うだけで内容はちっとも入ってこない。仕方がないので店を出、周りの店をぶらぶらと回ってみた。目に入る映像は脳の活動へとはつながらず、そのまま素通りした。入っては消え、入っては消えた。

 午前中の緊張が解けたのと、おそらく検査のときの麻酔のせいではなかろうかと思われる異様なだるさを体が感じる一方で、頭は一点に集中していた。―果たして良性だろうか、悪性だろうか…? クラスいくつって言われるんだろう?―
 ぼんやりとした頭で、F先生の言葉を反復していた。「クラスVは悪性…クラスIIIbとIVでも、手術を前提にした治療を…」「周りとの境界をどこに取るかにもよるのですが…」
 ―形が丸くなかったし、境界もはっきりしないみたいだし、やっぱり悪性だろうか…― F先生の様子の微妙な変化を思い出すにつけ、先生には経験から結果が見えているのではないだろうかと邪推までした。

 「10mm…」 ―たとえ悪性だとしても、1cmなら大事にはならないよね…―
 ―がんだとしたら…どうして私ががんなんかに………???―

 結局何をしていても落ち着かず、まだ時刻には早かったが、外科の前の待合室に私は戻った。

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