
大学の夏休みに帰郷した多江は地元の鬼兵衛谷の奇病『いきなり病』に興味を持ち研究しようとするが なぜか母の猛烈な反対にあう。しかし谷の歴史を親が決めた婚約者のモンと調べていくうちに恐ろしい秘密を知ってしまう。
舞台は1970年代、学生運動の激しかった時代です。この本が書かれたのも1971年ごろだったとか。 きっと当時の社会の『熱』を作者も感じながら 古い慣習とそれを打破しようとする若い力を感じながらこの本を書かれたのではないでしょうか。
この作品は当時の江戸川乱歩賞の最終候補だったそうですが 差別問題が取り上げられているということで力のある選考委員の反対により受賞は逃したとのことです。
時代が違うのでしょうか、私はこの本は正面から差別問題を取り上げた本だとは思いませんでしたが。
それよりも古く閉鎖的な『家』の陰湿さとか 若者が反体制を声高に叫んでいた時代を感じました。
こちらはなぜか『アマゾン』さんお勧めの本なので読んでみました。(アマゾンってどういう法則でお勧め本を選んでいるのでしょう?ちょっと不思議なセレクトが多いと思いません?)
こちらの作品とは関係ないかもしれませんが 作者もフランスで謎の失踪をされているそうです。
久々に『不思議な感覚』の本を読みました。