伝統的広告会社の労務的課題

2006年10月26日 | 人生はマーケティングもある。
言うまでもなく、今広告業界は大変難しい状況になっています。その原因は、これも言うまでもなく、インターネットメディアです。

横山隆治氏の近著にも"インターネット広告の場合、広告主は「広告の効果」を買っている。"とあります。ネット広告で生きてきた方には、奇異に感じるかもしれませんが、コンサバな多くの広告会社において"われわれは、広告効果を売っているのだ"という、認識は薄い、否、我々レベルの中堅広告会社には"皆無"だと思います。
(おおかたは、スペースを売っていると考えています。)

しかしながら、このインターネット広告を通じて広告主が"広告効果を買う"ことに慣れてしまうと、ネット外メディアにもそのスタンスで接触してくることが容易に考えられます。

"広告効果を売る"ことが当たり前な広告マンの養成が急務です。
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つぎに私達の前には、「メディアの分散化と広告のクラッタリング」の問題が大きく横たわっています。

少し前の私のblogエントリーにこう書きました。

ありとあらゆる生活の風景の中に企業と顧客の接点「タッチポイント」が存在する、マスメディアとは、「マスに向けたメディア」ではなく「種類がマスなメディア」と意味づけを変えている、と言っても良い状況が今の日本だといえるでしょう。

一つ一つのメディアは小さいけれども、それを束ねると力を持つという「ロングテール論」を元に、顧客(ターゲット)の生活のあらゆる場面で接点「タッチポイント」を持つというマーケティング戦略を「デザイン」していくことが、いまのマーケティングには必要なのだと思っています。

上記の観点からこれからの広告(Advertising 2.0 爆)を考えると

テレビ・新聞といった大量リーチ型メディアから、blog・SNSといったWOM(Word of Mouth)メディアまでを利用した新世代の広告サービスを、一日もはやく、構築し、市場に提供していかなければなりません。

そのためにインタラクティブメディアに精通したメディアマンが必要です。
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そして、そのメディアマンは、あらゆるメディアを使ってインターネットに囚われない、総合的マーケティング活動の提案をする、といったスキルもつけて行かなければなりません。

そういった観点で、伝統的広告会社とインターネット専門広告会社の間での人材の相互移動が来年からの広告業界では頻繁に目にされることになると、感じています。