よれよれ日記

谷晃うろうろ雑記

三國連太郎、86歳。

2009年10月24日 | Weblog
幻の映画「岸のない河」監督・三國連太郎の再生

偶然、視聴できた。

三國連太郎には興味があり、「白い道」の本も読んだし、映画も観に行った。

「岸のない河」については、雑誌のインタビューか記事かで知っていたが、今回詳しくその経緯や映像、内容を知ることが出来た。

戦争に生き残って銀座で元上官にスカウトされて映画俳優になった三國。
三國連太郎、というのは最初の主演映画「善魔」の役名。
台本にはその役名の下に「新人」と記されていた。
誰でも良かったし、その後どうなってもいい、という扱いだった。

その後、映画で食えるようになるが、行き詰まって行く。
49歳の時、私財をなげうち、妻子とも離別してパキスタンに渡る。
雑誌インタビューで相手国に批判的なコメントをして、ビザが出ない。

予定した飛行機に乗ることが出来なかったが、インドでその便が墜落する。
乗っていたら「スタッフ全滅」だった

成り行きの映像で、ストーリーを立ち上げるつもりだった。
パキスタンで暴動が起り、銃撃戦の中撮影をはじめる。

続行不可能となり、隣国アフガニスタンに入る。
さまよう中年医師の相手役に少年を捜す。
選んだ男の子に、離別した息子の面影を見いだす。
役名を現地の言葉で「天使」にする。

人里を離れて砂漠をさまよううち、「天使」の異変に気がつく。
日本で失った息子と同じ脳腫瘍の症状。

ふたりの歩みは「パラダイス」に続くのか、で終わる。

37年前の映像と音声を、86歳の三國が編集している。
その作業が、今の三國を「再構成」していく。

当時のマネージャー、写真家、録音技師などの話が、ドキュメンタリーを支えている。



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