宮部みゆきさんの『おそろし』
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これが結構、おそろしい。
繊細な描写の、流れるような文体に引き込まれて、ついぐいぐい読み進んでいるうちに、ふいに、喉元に刃が突きつけられるような感じで、ヒュッと息を呑む。
今日も、
「あ、これくる、怖いやつだ……」
と思いながら、読むのが止められなくて、結局、
「……ひぇっ!」
薄暗い自室で読んでいたので、思わず母の部屋に駆け込んで、
「怖い、怖いよっ!松太郎がっ、松太郎がそこに!」
と叫んでふざけていたら、母が、
「あんた、何やってんのよ」
と、ふふ、っと笑った。
その顔が、もっと元気だった頃の母そのままだったので、それが嬉しくて、しばらく、
「松太郎が!」
と、騒いでいた。
結末が気になって、
「眠れなくなったらどうしよう……」
と心配しながら夜中まで読んでしまったけど、
「え、結末はこれですか?」
と、ちょっと肩透かしで(いや、おもしろかったですけど、SFみたいになってて……)、でもお陰様で、夜中にトイレに行けない、というようなことはなかった。
連続ものなので、先を読みたいような、怖いような。
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