ひびこれこうじつ

とりとめなく、日々の覚書です。

辻井伸行さん@サントリーホール

2019-01-22 10:11:39 | art
サントリーホールで辻井伸行さんのコンサート。
ドビュッシー、ラベル、ショパンというおフランスプログラム。
大好きな『アラベスク』からはじまり、アンコールはこれも大大大好きな『月の光』。
辻井さんの音は、とても暖かく、美しく、1音1音の音質が、それぞれに何かを語っているかのようだ。でも悲壮なパートは、パーフェクトだけどなんだか客観的な感じがする。
辻井さんのエゴはきっとら透明なんだろう。もし天使がおりてきて、人間の楽譜通りに演奏したら、こんな感じなんじゃないか。
ぽんぽんは、
「なんだが、ピアノが体の一部、みたいな人だねえ。音が女性的な感じする」
と言っていた。多分よく聴く、ピアノの先生や白石さんと比べて言ってるんだけど、割と同じこと感じるんだなと思っておもしろかった。

アンコールは『月の光』、そして、短いけれどあったかいトークがほんの少しあって(恒例なのか、お客さんとの拍手の間が絶妙だった)、『羊と鋼の森のテーマ』。そして、再々度のアンコールを期待する拍手の中、もう終わりかなーと気の早いお客さんがちらほらと席を立ち始めた頃、辻井さん、すたすたと舞台袖から出てきてピアノの前に座り、また拍手が鳴り止まぬ中で、ショパンの『革命』をガガガッと弾き始めた。早々に席を立った人が慌てて足を止め、壁に張り付いて聞いていた。

「『月の光』って、白くて青くて、寂しいイメージだったけど、辻井さんのは、絵本の月みたいだった。こう、あったかい感じの黄金色が紺の中にあるみたいな」
ぽんぽんの感覚は、辻井さんの音楽を聴いても色彩に還元される。いわゆる色覚優位の人ってこんなんなんだろうか。

帰りにドイツビールとナツメグ風味のクリームソースで煮たショートパスタと肉団子とトマトのマリネをたべた。
肉団子を再現しろと、ぽんぽんが言う。やってみようじゃないか。
次回、トマトのマリネを作るときは、皮を剥くべきだと悟った。
ビールを飲んでみたいぽんぽんは、恨めしそうだった。



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